49話 ページ49
「その肩のボタン！ 貴方、ヒーロー科ですよね！？」
「えっ！ ヒーロー科！？」
「うそうそ、どの子！？ 話聞き出して！ 早く！」
大声を合図に周辺の記者がさらに集まっていく。
同じ言葉が繰り返され、騒がしくなった空間にAの頭がズキズキと痛む。
フラッシュを浴びて反射的に後ろを向いた時だった。
立ち塞がる記者たちの影から一人の若い男が顔を出す。
男は人の間から顔を覗き込ませてAを目にすると、ゆっくりと舐めるような視線を動かした。
「君、どこかで見た気が」
一瞬、目が合ってしまった。
気味の悪い視線に全身の体温が一気に下がる。
心臓がバクバクと大きく音を立てて、いつの間にか強く握りしめていた両手には汗が滲んだ。
騒がしい記者たちの声も遠く聞こえた。
「……どう、しよう」
助けを呼べない。話も通じない。
どうやってここから抜け出せばいいのだろうか。
そうだ、個性を使って逃げ出してしまおう。
早く動ける個性を。周りの記者たちを停止させる個性を。
でも、また扱えなかったら。また他人に迷惑をかけてしまったら。
でも、一人で何とかしないと。
考えがぐるぐると回り、頭の中が一杯になる。
この状況で相澤に助けを求めようにも思いが届くことはない。
Aは足を一歩分引いたが、すぐに他の記者にぶつかる。
逃げ場はどこにもなかった。
オールマイトについての質問などこの際、興味がない。
この男から離れたい気持ちが胸を埋め尽す。
すると突然、一つの大きな影がAに降り注いだ。
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やおや(プロフ) - きゃーぽんさん» ご感想、応援をありがとうございます。お楽しみ頂けるお話をお届けできるよう努めますので、今後もどうぞよろしくお願いします…！ (2021年4月20日 0時) (
レス) id: 889f105f89 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - めっちゃ面白いです！頑張ってください！ (2021年4月5日 16時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やおや | 作成日時：2021年1月29日 2時
