＃２８ side美織 ページ30
・
「失礼しますね。」
病室に入ると、天さんは小さな寝息を立てて眠っていた。
目に入るいくつもの包帯。
何で、天さんがこんな事に...
「Aさん...絶対、許さないから。」
＊＊＊＊＊
私が、まだデビューしていなかった時の話。
毎日厳しいレッスンをしてるのに、中々舞台には出れなかった。
それなのに、同じグループの他の子は、たくさん仕事をもらっていた。
「どうして、こんなに差がついたんだろう...」
みんなにあって、私にないもの。
歌？ダンス？トーク力？
...もっと頑張らなきゃ、仕事がもらえない。
そう思い、私はいっそうレッスンに励んでいった。
でも、それは実らなかった。
それは、今までで一番大きな会場でライブをした日の事。
その日は、楽しくて、楽しくて仕方なかった。
それを噛み締めて、楽屋に戻った時、
私は聞いてしまった。
雪乃「ねえ、ネット見た？うちらのランキングの。」
栞「あ〜、歌とか、ダンスとかの？あれ、全部美織が一番だったよね。」
香奈「美織、実力はあるしね。」
うそ...私は嬉しくて、思わず口元を押さえた。
レイラ「...でもさ、あいつ仕事もらえねーじゃん？」
え...どういう事？
雪乃「だろうね。あいつ、枕とかしてないっしょ？」
栞「あんなにレッスンしたって、仕事もらえないしww」
香奈「だけど〜、ライブじゃうちらがあいつの引き立て役みたいじゃね？」
レイラ「ほんと...あいつっていらない。」
...絶句した。
自分がいらないって言われてた事はもちろん...皆が枕で仕事とってたなんて。
自分の努力が、全部水に流された感覚がした。
＊＊＊＊＊
その後、私はグループ脱退を決意した。
あの人達と一緒にいても自分の夢は叶わない。
そう、分かったから。
でも、アイドルはやめたくなくて、私は違う事務所から改めてソロデビューした。
順風満帆なわけなかった。
仕事はすごく少なく、そして思うように結果を残せなかった。
少しは自分に実力があると思っていたけど、
それはあのグループという小さな世界の中だけだった。
今回も、やっとつかんだドラマの小さな役。
それすらも満足にこなせない。
「もう、だめなのかな...」
自分のアイドルとしての人生、それを終えてしまおうか、
そう思った時、
？「...諦めるんだ？」
私の頭の上から聞こえてきたのは、
「天、さん...」
あの人の、声だった。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←＃２７
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アイドリッシュセブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
4月生まれなのに雛人形 - 凄く面白く続きが気になります！更新復活してほしいです。 (2019年6月5日 0時) (
レス) id: e95920caaa (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ - ドーナツ☆*。さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて何よりです！部活とテストの影響で更新ペース遅くなってるんですけど、もう少し更新できるように頑張りますね！これからも「君の瞳に映りたい」を宜しくお願いします！ (2018年9月12日 23時) (レス) id: d4bf5e94f5 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ☆*。(プロフ) - すっごく面白いです！ファンになりました！楽と天にぃがかっこよすぎて.........///。読んでいてキュンキュンしました！これからも頑張ってください！！ (2018年9月11日 0時) (レス) id: f4d1c97738 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ - コメントありがとうございます！こんな駄作にそんなにすばらしいお言葉を頂けるなんて...感謝しかないです！私も天君めっちゃ大好きです！本当に尊すぎる... (2018年9月1日 23時) (レス) id: d4bf5e94f5 (このIDを非表示/違反報告)
ｋ - 天君が好きすぎて辛い、、、もう、ほんと、天君が好きです))すみませんいらないコメントでしたよね 、とにかく！ほんとに言葉に表せないくらい私はこの小説大好きです！なんだか複雑で続きがすっごく気になります！体には気を付けて更新頑張ってください(^^)/ (2018年8月30日 0時) (レス) id: 08642469ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アップルパイ | 作成日時：2018年8月19日 21時
