＃２７ ページ29
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医者「記憶喪失ですね。」
「記憶...喪失...」
医者「あの事故での後遺症だと思います。」
楽「記憶は...戻るんですか？」
医者「...分かりません。一生戻らないという例も報告されています。」
＊＊＊＊＊
『どちら様ですか』
言葉、視線、表情。そのどれもが冷たかった。
脳裏に、その言葉がこびりついている。
「何で...かな...」
天罰、だろうか。
天に大きな怪我をさせた。その代償として、記憶がなくなったんだろうか。
もう、あんな笑顔で笑ってくれる日はこないかもしれない。
あんなに優しい目で、私を見ることも、
あんなに優しい声で、私の名を呼ぶことも、
「もう、来ないかもしれないんだ...っ」
＿＿＿その日の夜は、私の心を映し出すように冷え切っていた。
＊＊＊＊＊
次の日。
私は、また病院に行ってみた。...少しずつでも、天に私の事を思い出してほしい。
こんなままで、終わらせたくない。
天は、私の事をどうでもいいと思ってるかもしれないけど、
あの日、私を命がけで助けてくれた君の気持ちを無駄にしたくない。
その時のお礼と、あの時言えなかった返事。
それを、言わなきゃいけないから。
緊張しながら、ドアを叩く。
「...失礼します。」
病室に入ると、天は自分が出ている雑誌を見ていた。
こんな時でも仕事のチェックなんて、本当に尊敬する。
「こんにちは。」
天「...どうも。」
怪訝そうな顔で見られて、私が忘れられている事を改めて実感する。
「私の事、分かりませんか？」
天「...すみません。お仕事で共演された方ですか？それとも、スタッフさん？」
「いえ...同じ八乙女事務所の者です。」
天「同じ事務所...新人の方ですか？」
「同期です。前はかなり仲良かったんだけどね。」
フッと、力の抜けた笑みがこぼれた。
天「...本当にすみません。」
「いや、大丈夫です。...今日は、天にお礼を言いたくて。」
天「お礼？僕、何かしましたか？」
「何で事故にあったかは知ってますか？」
天「詳しくは...崖から落ちたとしか。」
「...私を庇って、下敷きになったんです。あの時助けてくれなかったら、私は死んでいたかもし
れない。本当にありがとう。」
涙が頬を伝うのが分かる。それでも、笑わなきゃ。
「ありがとう、ありがとう...」
お礼は、何度も口から出たけれど、
やっぱり、「好き」だけはどうしても言えなかった。
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4月生まれなのに雛人形 - 凄く面白く続きが気になります！更新復活してほしいです。 (2019年6月5日 0時) (
レス) id: e95920caaa (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ - ドーナツ☆*。さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて何よりです！部活とテストの影響で更新ペース遅くなってるんですけど、もう少し更新できるように頑張りますね！これからも「君の瞳に映りたい」を宜しくお願いします！ (2018年9月12日 23時) (レス) id: d4bf5e94f5 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ☆*。(プロフ) - すっごく面白いです！ファンになりました！楽と天にぃがかっこよすぎて.........///。読んでいてキュンキュンしました！これからも頑張ってください！！ (2018年9月11日 0時) (レス) id: f4d1c97738 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ - コメントありがとうございます！こんな駄作にそんなにすばらしいお言葉を頂けるなんて...感謝しかないです！私も天君めっちゃ大好きです！本当に尊すぎる... (2018年9月1日 23時) (レス) id: d4bf5e94f5 (このIDを非表示/違反報告)
ｋ - 天君が好きすぎて辛い、、、もう、ほんと、天君が好きです))すみませんいらないコメントでしたよね 、とにかく！ほんとに言葉に表せないくらい私はこの小説大好きです！なんだか複雑で続きがすっごく気になります！体には気を付けて更新頑張ってください(^^)/ (2018年8月30日 0時) (レス) id: 08642469ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2018年8月19日 21時
