今日、家族になりました。【影山飛雄】

家族21＊内緒で秘密 ページ23

｢ふぅ…何とか間に合ったね｣

｢な！マジで危なかった…｣



実はあの後入学式に遅刻しそうになった私達は、全速力で走って何とか体育館で無事入学式を終えた

日向君の足が速すぎで追いつけない私に時々振り返ってくれる彼がいい人すぎて感動したのは内緒






一組の列に飛雄はいなかったので辺りを見回すと遠くの三組の列に相変わらずの仏頂面をうかべて立っていた

私の視線に気がついたのでわかりやすく手を振ると
案の定飛雄は焦ったような照れたような顔で小さく…ほんと小さくだけど手を振り返してくれた

周りのひとがチラチラこっちを見ているが傍から見ればカップルなんだろうか



因みに日向君は気づいてない様子で既に近くの人に話しかけてる
さすがのコミュ力




振り返してくれたのが嬉しくてニコニコしてると、今度は向こうから口パクで

『はずかしいからやめろ』


って言ってきた
つり目な彼が頬を赤らめてるのがなんだか面白くって必死に笑いをこらえてると、今度は思いっきり睨まれた

私の後ろに並んでる人が｢ひいっ｣と声を上げていた
そりゃ怖いよね


周りからどう見られているかはともあれ、何だか秘密の会話みたいで嬉しい





ってかあの教頭ぜったいカツラだった
少しずれてて不自然だったもん


日向君が気づいているかはわからないけどこれは触れないでおこう








｢あ、そういえばAってもう部活決めた？｣


教室までの廊下で日向君がふいにそんな事を聞いてきた

｢部活…？｣



そういえばなんにも考えてなかった
中学の頃は受験のこともあって帰宅部だったし



何より今は祐太がいる




考えたけど特にやりたいこともないし特技もないししばらくは家事に専念かな


｢うーん、中学と同じで帰宅部かな。日向君は？｣


｢俺っ？俺はバレー部！｣



あ、そっかー日向君はバレー部かー……




バレー部！？！？





______家族21 内緒で秘密

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