八 ページ8
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「お、噂の女隊員ってやつじゃねえか」
男はにやにやと笑みを浮かべながら、Aと千影を見た。
自ら車をぶつけているにもかかわらず、反省の色はない。
「すみません。気にしないでくださいね」
「いえ…」
目の前には不安そうな顔をした女。
この男がぶつけた車の持ち主、被害者だ。
赤信号で止まっていたにもかかわらず、後ろから来たこの男に追突されたらしい。
(うわちゃあ…新車だったのか)
車に貼られたシールときらきらとした車体を見て、顔が歪む。
それに車体には初心者マークがついている。
運転免許証を見れば、もう少しでそのマークも取れる頃合いだった。
(無事故無違反。この人は免許取り立てなのに、安全運転で立派だというのに)
男の免許証を見て、思わず溜息をつく。
今日の事件で、この免許証は失効されるようだ。
「ったくよう、こいつぁ俺の足だっていうのに」
(文句を言いたいのは、女の子のほうだっつの)
変わらずへらへらとする男に、次第に腹が立ってくる。
沖田と並び、男を囲む千影は鬼のような形相だ。
「あの…」
不意に女に声をかけられ、視線を戻す。
不安そうに黒目をうろうろとさせた後、Aを見て眉を下げた。
「良かったです。お姉さんが来てくれて」
「えっ」
「私事故に巻き込まれるなんて人生で初めてだし、その…あの人が最初怒鳴り込んできた時、本当に怖くて」
通報者は近くにいた若い男だった。
車をぶつけられ難癖をつけられていたところを仲裁に入り、女の代わりに通報したという。
通報者によると、前にいるから悪いんだ、邪魔だったなどと無茶苦茶な暴言を女に浴びせていたらしい。
「不安でしたよね。もう大丈夫ですよ」
彼女の背中をぽんと叩けば、堰を切ったように泣き始めた。
緊張の糸がぷつりと切れてしまったようだ。
背中を摩りながら、沖田の方へ目配せし、
『パト、乗っけとけ」
彼の指示に、女とともに足を向けた。
その時だった。
「おい、てめえら。どこ行きやがんだ、逃げんじゃねえ」
男は千影を押し退け、Aを追いかけてきた。
沖田が慌てて追いかけるも、男は走って向かってくる。
急いで女を車に乗せ、扉の前に立つ。
「おい、お前。退け」
「できません。元の位置に戻って下さい」
「てめえ、女の癖に」
額に筋張った脈が見える。
(危なそうだな、この人)
腰元にある棒に手をやった。
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Nattu(プロフ) - 早桃さん» 初めまして‼︎ｺﾒ嬉しいです〜ありがとうございます;;ゆったりまったり続けていきますのでお付き合いいただけたらと思います。最高と言っていただき凄く嬉しかったです;;; (2022年4月5日 23時) (
レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 最高です、、、！本当に面白くて、土方さんとこれからの進展が楽しみです。いつまでも応援しています😌 (2022年4月2日 12時) (レス) @page30 id: 636f4996a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2022年2月15日 22時
