二十ニ ページ22
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少し話し過ぎたと後悔した。
目の前の土方の表情にあまり変化はない。
コーヒーを何度か口付けながらも、Aをしっかりと見ていた。
「お前が宝石に詳しいとは意外だったな」
突かれたくないところを突いてくる辺りが土方らしい。
まるで取り調べを受けているようだ。
「まあ…」
宝石に関して、特別詳しいという訳ではない。
休日にネットサーフィンをしている時にたまたま見かけただけなのだ。
あまりの値段の高さに、千影に話しかけたほどだ。
「その格好で宝石と言われると、お前が女だと改めて感じさせるな」
何気ない一言だ。
一瞬熱を帯びたように暑くなる。
「稽古の時に手加減せずに、相手してやってるのが悪い気がしてきたな」
土方のそういうところに尊敬していた。
周りの隊員は多少なりとも、力加減に遠慮を感じていた。
しかし、土方はそんなことも気にせず、真っ向からぶつかってくる。
それで何度怪我をしてきたか。
それを見ても、
『お前の受け身が悪い。次までにはなんとかしてこい』
甘やかさせず、厳しい指摘。
周りから、やりすぎだと心配されようが、不器用ながらも部下を育てようとする土方の思いがひしひしと伝わっていた。
「別に気にしないで下さい」
Aの言葉に、土方は鼻を鳴らす。
「千影みてぇに休みの日くらい、女らしくいたっていいんだぞ」
「…急にどうしたんですか」
「率直に思ったことを言っているだけだ。昔のお前は今のような格好してやがったわけだし」
土方は前に見せた写真のことを言っているらしい。
男は頬杖をつき、窓の外を見る。
「俺達に気を遣って生活してんのは分かってる」
服装のことだけではない。
周りを気にして、風呂は交代で入らず近くの銭湯に行き、洗濯物は室内干し。
自室でだらしない格好だったとしても、自室を一歩出れば、胸元を見せない、膝より下の丈の服を着ていた。
それが意識的なものだと、土方は見通していた。
「俺は、今の格好似合ってると思うが」
そう呟いて、煙草を吸ってくると席を離れた。
(この張り込み中は女らしくいよう。
それからは、また考えよう)
手鏡を取り出し、千影から借りた口紅を唇に当てる。
取れかけているはずの頬紅はまだ色濃く、色味を落とそうと粉白粉を重ねた。
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Nattu(プロフ) - 早桃さん» 初めまして‼︎ｺﾒ嬉しいです〜ありがとうございます;;ゆったりまったり続けていきますのでお付き合いいただけたらと思います。最高と言っていただき凄く嬉しかったです;;; (2022年4月5日 23時) (
レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 最高です、、、！本当に面白くて、土方さんとこれからの進展が楽しみです。いつまでも応援しています😌 (2022年4月2日 12時) (レス) @page30 id: 636f4996a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2022年2月15日 22時
