◇ 08. ページ8
「カラフル？」
「うん、花とか、服の色とか」
「ふうん」
気持ち的にも、なんとなく清々しくて、好き。
リセットできる季節。
「俺は春が一番きらい」
…おっと、予想外の言葉。しかも一番きらいって。
「……どうして？」
ボーッと天井を見上げてる彼の瞳は、なにかに思いを馳せるように揺れてた。
「……つらいから」
あ。
また、だ。
色が消えて、この人、いつかそのまま消えていなくなるんじゃないかなって思う瞬間。
「……何がつらいの？」
わたしの問いかけに、ふっと笑って、よっこらしょって起き上がった。
「花粉症の話」
「え？」
「Aちゃん、授業始まっちゃうよ」
「…大野くんは？」
「俺は相葉ちゃんに声かけてくる」
「……わかった」
なんとなく、早くここを出てって。って言われてるみたいで、わたしは早々とドアへ歩いた。
「Aちゃん」
変なの。なんだろうこの気持ち。
「またね」
「うん」
入学式の日、桜の木をみつめてた彼はなにを思ってたんだろう。
ほのかって誰？
どうして春が嫌いなの？
つらくなるって何？
今、本当に花粉症のことだった？
どうしていつも、泣きそうに笑うの。
過去に、なにかあったの？
それから大野くんとは会わない日が続いて、たまーに噂が流れてきた。
「昨日の放課後、また大野くんが告白されてるの見たって佐藤が言ってた」
「モテるよねー」
「けど全部断ってるんでしょ？フリーなのに」
「好きな人いるんじゃない？」
「元カノ忘れられないとか？」
「あーそれじゃん？元カノめちゃくちゃ可愛いかったんでしょ？」
女子トイレでちーちゃんが出てくるの待ってるとたまたま聞こえてきた噂話。
女子はほんとに噂好き。しかも声が大きい。
……元カノ、かあ。
「………」
もしかして、元カノのことだったのかな
「ほのか」って。
ほのかって、誰よ。
「……」
「Aごめーん、お待たせ」
「……」
「…A？」
トイレから出て来たちーちゃんが、待ってたわたしの顔を覗き込む。
「どうしたの？」
「………ちーちゃん」
「ん？」
「……わたし、変かも」
え？ってちーちゃん。
「大野くんのこと気になる」
「……A……」
「ずっと考えてる」
「……A！ついに恋したのね！」
「え？恋？」
え？
「恋じゃない、ただ彼の過去が気になるだけ」
「は？」
「え？」
「……」
「……」
ちーちゃんが「鈍感め…」と息を吐いた。
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ヤノ(プロフ) - 。さん» ありがとうございます、恐縮です…私には勿体無いコメント…！そう言っていただけただけで、書いた価値がありました(´;ω;`)感謝です。 (2016年7月6日 19時) (
レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - なったんさん» ありがとうございました(´;ω;`)！相葉先生の存在は物語的にも本当に大きかったです…！本当は大好きなのに照れて素直になれない智(-_-)（笑）亀更新にも関わらず、見捨てずに見に来ていただいて本当に感謝です、いつもありがとう！！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 煌さん» 無事に完結できました（涙）そう言ってもらえて本当に本当に励みです…！こちらこそ、見届けてくださって本当にありがとうございました！いつも温かいコメント感謝です(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - きゃんでぃぶるーさん» ありがとうございます…！不器用ながらも何とかくっつけた2人でした（笑）次はどんなの書こうかなーと悩み中です(*'v`*)またぜひ遊びにきてください！コメントありがとうございました(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 麻衣さん» 最後まで見届けてくださってりありがとうございました…！結末を皆様が受け止めてくれるか不安でしたが、すぐに麻衣さんからコメントが届きホッとしました(´;ω;`)またぜひ遊びにきてください！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤノ | 作成日時：2015年9月4日 0時
