◇ 42. ページ42
それから、うちのクラスは決勝戦も勝ち抜いた。
授与されたトロフィーは、クラスに飾られた。
夜はクラスで焼肉店で打ち上げ。
「邪魔しちゃうかなーって思ったんだけどねー。みんなAに報告しなくちゃって走り出してさ」
焼肉を焼きながらちーちゃんが隣でゴメンね、って笑う。
「ううん、嬉しかったよ」
「メールしたら？」
ちーちゃんは淡々とした表情。
茶化すわけでもなく。
「夏休み入っちゃったら、会えないじゃん」
「……うん」
明日は終業式。
そしたら、1ヶ月も会えない。
明日、話さないと……夏休みに入っちゃう。
「……」
「……」
「………」
「……もう！携帯貸して！」
いつまでも画面を開いたまま、何もできないわたしから、ちーちゃんが携帯を奪い取る。
「わ、ちーちゃん！」
「あたしが送る」
「ちょっとー！」
わたしの声なんか無視。
ちーちゃんは即座に何かを打ち込んで、メールを送信した。
「………」
返してもらった画面には、「明日話があるから、ホームルーム終わったら屋上にきて」と書かれていた。
「……なにこの少女漫画のような台詞……」
「文句言わないの！」
「……うう」
だって。
さっきはあんなに簡単に言えそうだった「好き」って言葉も、チャンスを逃すと勇気が萎む。
言って、いいのかな。
でももう、後戻りは出来ない。
送信された文章を見ながら、溜息が出た。
打ち上げが終わって家に着いた頃、大野くんから「うん。」とだけ、返事が来た。
夜はもちろん、眠れなくて。
終業式は、ほとんど上の空だった。
校長の話した内容なんて、少しも覚えてない。
ただ、同じ体育館に居る大野くんと会わないことだけを祈った。
教室に戻ってからのホームルームなんて、時計ばかりを気にしてたら、光の速さで終わった。
「じゃあ頑張ってね！」
ちーちゃんは翔ちゃんと帰る、と足早に教室を出て行く。
わたしも、屋上へ向かおう。
そう思った時。
「お、村田、ちょうど良かった」
わたしの苗字を呼んだのは、両手にプリントの束を抱えた担任。
「それ職員室まで運んで」
これ、と指示されたのは、まだ教卓の上に大量に残るプリント。
「え？いやです」
「なんだもう帰るのか？」
「いや、帰りませんけど…」
「そんな重たくないから。足はだいぶ治ったろ？」
「治ってないです」
「いいから頼むよー」
「ちょ！」
有無を言わせず、担任は教室を出て行く。
………もおー！
急いでプリントを抱えて担任を追った。
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ヤノ(プロフ) - 。さん» ありがとうございます、恐縮です…私には勿体無いコメント…！そう言っていただけただけで、書いた価値がありました(´;ω;`)感謝です。 (2016年7月6日 19時) (
レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - なったんさん» ありがとうございました(´;ω;`)！相葉先生の存在は物語的にも本当に大きかったです…！本当は大好きなのに照れて素直になれない智(-_-)（笑）亀更新にも関わらず、見捨てずに見に来ていただいて本当に感謝です、いつもありがとう！！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 煌さん» 無事に完結できました（涙）そう言ってもらえて本当に本当に励みです…！こちらこそ、見届けてくださって本当にありがとうございました！いつも温かいコメント感謝です(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - きゃんでぃぶるーさん» ありがとうございます…！不器用ながらも何とかくっつけた2人でした（笑）次はどんなの書こうかなーと悩み中です(*'v`*)またぜひ遊びにきてください！コメントありがとうございました(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 麻衣さん» 最後まで見届けてくださってりありがとうございました…！結末を皆様が受け止めてくれるか不安でしたが、すぐに麻衣さんからコメントが届きホッとしました(´;ω;`)またぜひ遊びにきてください！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤノ | 作成日時：2015年9月4日 0時
