◇ 40. ページ40
大野くんが床に座って、わたしの足首を冷やしてくれる。たまに冷えすぎないように、タオルで拭きながら。
「……今更だけど、さ」
「…………」
「Aちゃんが弁当作るって言ってくれた時、なんかわかんねぇけど……すげーうれしかったんだよ」
「……うん」
「玉子焼きも、きんぴらも、うまかったし」
カラン。氷の音。
わたしの体温が、氷を溶かしてく。
「……」
「……無理させて、ごめんね」
「………」
「、……感謝してる」
大野くん。
わたし、無理なんか、してなかったよ。
そばにいれて、うれしかったんだよ。
「………わたしこそ、ありがとう」
「……」
「美味しそうに食べてくれるの見て、すごく嬉しかったから」
ありがとう、ってもう一度言うと、
彼と目があった。
「………」
「………」
窓から風が、舞い込む。
カーテンが大きく、揺れて。
この時、不思議な感覚になった。
何日間もずっと一緒に居たのに、初めて。
初めて、彼がわたしの目を、見た気がした。
「……Aちゃん」
まっすぐな、大野くんの瞳。
深い、澄んだ茶色。
「あの日、………サツキが、さ」
「……」
「俺たちが一緒にいることは、おかしいって、言ったでしょ？」
うん。あの日サツキちゃんは、私たちを蔑むような目で見た。
それだけ、彼女にとってほのかちゃんは大切な存在だったんじゃないかって。
そう思われても仕方ないって、何度も何度も自分に言い聞かせた。
「サツキはさ、ほのかと唯一仲良くしてくれてたから」
「………」
「………あんな風に言われても、否定できなかった」
心が、しんじゃいそう。
彼が言葉を発するたびに、息が止まりそう。
「……おれ、Aちゃんの優しさに甘えてた」
「………」
「Aちゃんと居ると、あの頃に戻ったみたいに、楽しくて」
「………」
「ほのかが、帰ってきてくれたような気がして」
「………」
「……ごめん」
ううん、分かってた。
わかってたよ……？
「会わなくなって、いろいろ考えて、さ」
「……」
「……俺、すげー失礼なことしてたなって」
「……」
「すげぇ、反省した……」
ごめん、って何度も謝る大野くん。
泣くのを、堪えてる。
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ヤノ(プロフ) - 。さん» ありがとうございます、恐縮です…私には勿体無いコメント…！そう言っていただけただけで、書いた価値がありました(´;ω;`)感謝です。 (2016年7月6日 19時) (
レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - なったんさん» ありがとうございました(´;ω;`)！相葉先生の存在は物語的にも本当に大きかったです…！本当は大好きなのに照れて素直になれない智(-_-)（笑）亀更新にも関わらず、見捨てずに見に来ていただいて本当に感謝です、いつもありがとう！！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 煌さん» 無事に完結できました（涙）そう言ってもらえて本当に本当に励みです…！こちらこそ、見届けてくださって本当にありがとうございました！いつも温かいコメント感謝です(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - きゃんでぃぶるーさん» ありがとうございます…！不器用ながらも何とかくっつけた2人でした（笑）次はどんなの書こうかなーと悩み中です(*'v`*)またぜひ遊びにきてください！コメントありがとうございました(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 麻衣さん» 最後まで見届けてくださってりありがとうございました…！結末を皆様が受け止めてくれるか不安でしたが、すぐに麻衣さんからコメントが届きホッとしました(´;ω;`)またぜひ遊びにきてください！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤノ | 作成日時：2015年9月4日 0時
