◇ 28. ページ28
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好きって、言おう。
相葉先生と話した日から、静かに生まれた決意。
多分、言っても何も変わらない。
彼は「わたし」のことなんて見てないし、届くこともないだろうな。
それでも、「いまを生きるあなたを好きになったんだよ」と言いたい。
大切な人を失って、抜け殻になって
それでもこの高校に来てくれて、出逢えた。
「ありがとう」って言ったら彼は、どんな顔をするんだろう。
「………」
「…………」
「………Aちゃん？」
大野くんの、声にハッとする。
いつもの屋上で、お弁当を食べ終えたときだった。
「……なんか最近、元気ないね？」
大野くんが、心配そうにわたしの顔を覗き込む。
「そ、そんなことないよ！」
「………ほんとに？」
「うん！元気！」
モリモリと腕をあげて元気アピール。
だけど大野くんは納得いかない顔。
「……もしかして、さ」
「うん？」
「……あんま、寝れてない？」
「え？」
あぐらを掻いてる大野くんが、不安そうにわたしを見る。
「……俺、無理させてる？」
「え？え？どうして」
「弁当……やっぱ2人分はキチいか」
しゅん、って項垂れてる。
子犬か。キュン。
「え、全然寝れてるよ？無理してない！」
「……ほんと？」
「ほんと！毎朝楽しいし」
ほ、って大野くんが安堵する。
「ならよかった」
……今更そんなこと気にしていたのか。
もうこうして大野くんのお弁当を作り出して2週間が経つ。
「雨、降りそうだね」
大野くんが空を見て呟く。
「もうすぐ梅雨に入るね」
「そしたら屋上で食べれないじゃん」
「雨の日はどこか別のところで食べる？」
「この棟の2階に、空き教室ある」
「じゃあそこにしよ」
よいしょ。大野くんが立ち上がる。
「そろそろ行こっか」
「……うん」
なんか、不思議。
まだ出会って2ヶ月も経たないのに、
大野くんを好きになって、悩んだり、傷付いたり、幸せだったり。
もうすぐ、梅雨が来て、夏が来て。
出逢った春がおわってく。
大野くん。
わたし、やっぱり言いたいよ。
間違った選択だとしても、言いたい。
「……大野くん！」
教室に戻る途中の廊下。
「ん？」
わたしの声に振り返った大野くんが、そのままわたしの背後を見た。
「……あ」
その視線の先を辿る。
「……」
「………サツキ」
私に彼の過去を教えてくれた「サツキちゃん」が
険しい顔をしてこっちを見ている。
空から、ぽつりぽつりと雨が降り出す音がした。
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ヤノ(プロフ) - 。さん» ありがとうございます、恐縮です…私には勿体無いコメント…！そう言っていただけただけで、書いた価値がありました(´;ω;`)感謝です。 (2016年7月6日 19時) (
レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - なったんさん» ありがとうございました(´;ω;`)！相葉先生の存在は物語的にも本当に大きかったです…！本当は大好きなのに照れて素直になれない智(-_-)（笑）亀更新にも関わらず、見捨てずに見に来ていただいて本当に感謝です、いつもありがとう！！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 煌さん» 無事に完結できました（涙）そう言ってもらえて本当に本当に励みです…！こちらこそ、見届けてくださって本当にありがとうございました！いつも温かいコメント感謝です(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - きゃんでぃぶるーさん» ありがとうございます…！不器用ながらも何とかくっつけた2人でした（笑）次はどんなの書こうかなーと悩み中です(*'v`*)またぜひ遊びにきてください！コメントありがとうございました(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 麻衣さん» 最後まで見届けてくださってりありがとうございました…！結末を皆様が受け止めてくれるか不安でしたが、すぐに麻衣さんからコメントが届きホッとしました(´;ω;`)またぜひ遊びにきてください！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤノ | 作成日時：2015年9月4日 0時
