◇ 27. ページ27
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目の前で瞳をゆらゆらさせる彼女を見ていると、
とても胸の奥が痛んだ。
ごめんね、といった俺の声に顔をあげて、「え？」って驚いてる。
「俺が、無理させちゃったかもしれない」
「むり…？」
「俺が、大ちゃんのそばに居てあげてほしいって言ったから」
「ちがいます！」
Aちゃんが、俺の声を遮る。
「先生に言われたからじゃ、ないです。わたしが大野くんの、そばに居たいって勝手にっ……」
ぽろん、と落ちた彼女の涙。
泣きたくないのに、って目をゴシゴシして、顔を歪めるAちゃん。
「……Aちゃん？」
なにが正解なのか、この子はずっと考えているんだろうな。
だけど正解なんてあるのかな。
きっと彼女は、もうどうしようもなく大ちゃんが好きで。
それを否定してまで、大ちゃんのそばに居る理由なんて
ないんだと思った。
「大ちゃんのこと、好き？」
「……はい」
この前と違って、真っ直ぐなイエスの答え。
大ちゃんのために、この子が必要だと思ってた。
だけどそんなの、俺が決めることじゃなかったんだ。
「そっか、すげえ好きなんだね」
「………」
「じゃあもう、これからを決めるのはAちゃん自身だよ」
「……」
「自分に正直になっていいんだよ」
Aちゃんの潤んだ瞳。
真っ直ぐで、純粋な想いが伝わる。
「苦しいならそばに居なくていい、闇の中にいる大ちゃんを救おうなんて思わなくていい」
「、…」
「……好きなら好きって、言ってもいいんだよ」
この子に会った時、「この子なら大ちゃんを救える」と思ったけど、
ただ純粋に大ちゃんに恋をしただけのこの子が、大ちゃんの過去に遠慮して身動きが取れないんじゃ、なんの意味もないって思ったんだ。
「だけど大ちゃんも、沢山悩んで苦しんで、いまを一生懸命生きてる」
「………」
「そのことは……わかってほしいんだ」
なにが幸せで、どうすれば一番いいのかなんて
本人同士が決めることだ。
離れたいなら離れればいい。
おれがこの子を引き留める理由なんてない。
「………わたし」
「……」
「ほのかちゃんの代わりでもいいなんて、思えない」
潤んだ瞳が、真っ直ぐにおれを見る。
「……悲しい恋にはしたくないんです」
「うん」
「……いつかちゃんと、わたしの言葉で言いたい」
「うん」
大切な気持ち、きっと言えるよ。
彼女の泣き顔が少しだけ、安心したように和らいだ。
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ヤノ(プロフ) - 。さん» ありがとうございます、恐縮です…私には勿体無いコメント…！そう言っていただけただけで、書いた価値がありました(´;ω;`)感謝です。 (2016年7月6日 19時) (
レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - なったんさん» ありがとうございました(´;ω;`)！相葉先生の存在は物語的にも本当に大きかったです…！本当は大好きなのに照れて素直になれない智(-_-)（笑）亀更新にも関わらず、見捨てずに見に来ていただいて本当に感謝です、いつもありがとう！！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 煌さん» 無事に完結できました（涙）そう言ってもらえて本当に本当に励みです…！こちらこそ、見届けてくださって本当にありがとうございました！いつも温かいコメント感謝です(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - きゃんでぃぶるーさん» ありがとうございます…！不器用ながらも何とかくっつけた2人でした（笑）次はどんなの書こうかなーと悩み中です(*'v`*)またぜひ遊びにきてください！コメントありがとうございました(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 麻衣さん» 最後まで見届けてくださってりありがとうございました…！結末を皆様が受け止めてくれるか不安でしたが、すぐに麻衣さんからコメントが届きホッとしました(´;ω;`)またぜひ遊びにきてください！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤノ | 作成日時：2015年9月4日 0時
