◇ 26. ページ26
保健室へと連れて来られて、そのまま椅子に座らされた。
「ん！今日はアールグレイ！」
かわいいカップに注がれた紅茶。
「どう？」
「……すっきりした味。おいしいです」
「よかった！」
ニコニコ。
先生、ご機嫌……？
「あ、あの」
「ん？」
「先日は、色々とご相談にのっていただき、ありがとうございました」
ペコリとお辞儀すると、先生は「ええ！いやいや！」とびっくりしてる。
「むしろ反省したよ、せっかく相談してくれたのにロクなアドバイスできなかったからさー」
「いえ！とても参考になりました」
先生がよくわかんない表情で笑う。
「大ちゃんとあれから会ってる？」
「はい」
「あ、そうなんだ、ならよかった」
「え？」
「最近、大ちゃん保健室来なくてさー」
「………」
「昼休みなんか、ほぼ毎日来てたのに」
……そうか。
相葉先生には、わたしとお昼ごはんを食べてること言ってないのか。
「…実は、お弁当をつくってあげてて」
「え？」
「最近は、一緒にお昼ごはん食べてるんです」
驚いた先生の顔。
だけどすぐにパァァっと笑顔になった。
「そうだったんだ！なるほどね！だから最近来ないんだ大ちゃん」
なるほどー、って大きく頷いてる。
なんだかとても嬉しそう。
「……あの」
「ん？」
爽やかな相葉先生。
守ってくれそうな、年上の人。
わたし、好きになるならこういうタイプの人だと思ってた。
だれかを守りたいと思うなんて。
「大野くんの過去のこと、全部聞きました」
「………」
「先生の言った通り、大野くんは大きな闇を抱えてました」
「うん」
「……私、傍に居ていいんでしょうか」
大野くんが笑うと嬉しい。
大野くんにみつめられると、泣きそうになる。
幸せなのに、傍に居るといつも苦しい。
「……前に進めたらいいね、って言ったのはわたしなのに」
「……うん」
「どうすれば彼のためなのか、わかりません」
「………」
「どうして彼が……わたしと居てくれるのかも、わからないんです」
大野くんの過去を否定してしまいそうな自分が怖い。
何もかも作り話だったら、もっと楽しく恋出来てたんじゃないかなって思う自分が、怖い。
ぐるぐると色んな想いが頭を駆け巡って。
わたしだって好きなのに、って。
ほのかちゃんと重ねないで、って叫びたくなる。
「……ごめんね」
先生の、泣きそうな表情。
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ヤノ(プロフ) - 。さん» ありがとうございます、恐縮です…私には勿体無いコメント…！そう言っていただけただけで、書いた価値がありました(´;ω;`)感謝です。 (2016年7月6日 19時) (
レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - なったんさん» ありがとうございました(´;ω;`)！相葉先生の存在は物語的にも本当に大きかったです…！本当は大好きなのに照れて素直になれない智(-_-)（笑）亀更新にも関わらず、見捨てずに見に来ていただいて本当に感謝です、いつもありがとう！！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 煌さん» 無事に完結できました（涙）そう言ってもらえて本当に本当に励みです…！こちらこそ、見届けてくださって本当にありがとうございました！いつも温かいコメント感謝です(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - きゃんでぃぶるーさん» ありがとうございます…！不器用ながらも何とかくっつけた2人でした（笑）次はどんなの書こうかなーと悩み中です(*'v`*)またぜひ遊びにきてください！コメントありがとうございました(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 麻衣さん» 最後まで見届けてくださってりありがとうございました…！結末を皆様が受け止めてくれるか不安でしたが、すぐに麻衣さんからコメントが届きホッとしました(´;ω;`)またぜひ遊びにきてください！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤノ | 作成日時：2015年9月4日 0時
