◇ 03. ページ3
「ありえない」
「だってすっごい見てたじゃんAのこと」
「それは…」
「あれ間違いなくハート射抜かれてたでしょ！」
ありえない。だって。そんなの。
「ありえない！」
「んもーなに怒ってんの」
だって彼は、「あの人」だった。
色の無い、彼だった。あの日、消えそうに桜の木を見つめてたの。
そんな、一目惚れなんてするような人じゃない。
そんなの、見たらわかるもん。
「でも可愛かったでしょ？大野くん」
先生のデスクにノートを提出して、職員室を出る。
「まあ、ね」
「もっと可愛い印象だったけど、中学のときより成長してて色気アップしてたなあ」
「……」
「なんか女心くすぐる顔よねー、ほっとけないってゆーか」
「……」
別に。わたしには関係のないこと。
彼が誰を好きで、誰に告白されたなんて。
全然きょーみない。
その日から至る所で「大野 智」の話を聞くようになった。
中学時代、すごく大事にしてた彼女が居たこと。
その彼女とは、別れたって噂。
全部、わたしは聞き流してた。だって
学校一モテてた可愛い王子になんか、興味ありませんから。
「Aーごめん、今日デートなの」
ちーちゃんが放課後、手を合わせて可愛らしく謝ってきた。
「大丈夫、わたしも寄る所あるから」
「ほんとごめんね」
いつも駅まで一緒に帰るちーちゃんだけど、最近はデートの頻度も高い。ラブラブカップルだからね。
「寄る所ある」って気を遣わせないためについた嘘だったけど、どうせ帰ってもやることないし、本屋にでも寄ろうかと考えながら駅まで歩いた。
改札を通って駅のホームに来ると、
「あ」
大野くんが居た。
「……」
ひとりでぼんやり電車を待ってる。
ちらほら見えるウチの学校の制服をきた生徒。
大野くんのほうを見ながらキャッキャッ言ってるの、きっと本人は気付いていない。
こうやって遠くから見ると、なんだろう
立ち方？制服の着方？妙にかっこいいな。
なんとなくどんな顔をして彼の前を通ればいいのかわからなくて、
だけど別に声をかけるほどの知り合いでもないし…
とか考えてたら、大野くんが私の方を見た。
あ、って顔してる。
なぜかちーちゃんの「大野くん、Aに一目惚れしたんじゃない？」って声が頭を過ったけど
気付かないフリして彼の前を通りすぎようとした。
「…」
「…」
あれ？
手首があつい。
引っ張られてる。
「…ねえ」
って、彼の声がした。
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ヤノ(プロフ) - 。さん» ありがとうございます、恐縮です…私には勿体無いコメント…！そう言っていただけただけで、書いた価値がありました(´;ω;`)感謝です。 (2016年7月6日 19時) (
レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - なったんさん» ありがとうございました(´;ω;`)！相葉先生の存在は物語的にも本当に大きかったです…！本当は大好きなのに照れて素直になれない智(-_-)（笑）亀更新にも関わらず、見捨てずに見に来ていただいて本当に感謝です、いつもありがとう！！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 煌さん» 無事に完結できました（涙）そう言ってもらえて本当に本当に励みです…！こちらこそ、見届けてくださって本当にありがとうございました！いつも温かいコメント感謝です(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - きゃんでぃぶるーさん» ありがとうございます…！不器用ながらも何とかくっつけた2人でした（笑）次はどんなの書こうかなーと悩み中です(*'v`*)またぜひ遊びにきてください！コメントありがとうございました(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 麻衣さん» 最後まで見届けてくださってりありがとうございました…！結末を皆様が受け止めてくれるか不安でしたが、すぐに麻衣さんからコメントが届きホッとしました(´;ω;`)またぜひ遊びにきてください！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤノ | 作成日時：2015年9月4日 0時
