◇ 18. ページ18
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大ちゃんは大切な人を失ったとは思えないほど飄々と生きていた。
『ここが保健室か……たまにサボりに来てい？』
入学してきた大ちゃんを見て、俺は拍子抜けした。
ケアを頼まれていた手前、その「普通さ」に若干動揺はしたが、まあこんなもんかと思ってしまった。
大ちゃんの心の隙間に最初は気付かなかったんだ。
それから大ちゃんがしばしば保健室に足を運ぶようになって、距離も縮まってきたかな、って頃
たまにみる大ちゃんのぼんやりとした表情に違和感を覚えた。
どこかを彷徨っているような、まさに心ここに在らずな状態。
『…相葉ちゃん』
『んー？』
『……俺ってさ、平気そうに見える？』
大ちゃんはベッドに寝転んだまま、俺に問い掛けたんだ。
『……元カノと別れても、全然平気そうとか』
『……』
『……軽そうとか、よく言われる』
大ちゃんの事情を知らない高校の同級生から、きっと色々冗談半分に言われるんだろうな。
『……全然、平気じゃねーっつの』
ああ、平気なわけなかったんだ。
そんなの、当たり前だった。
俺は始めから気付いてあげなくちゃいけなかった。
大ちゃんを一人にしちゃいけない。
大ちゃんの悲しみに気付いてあげなくちゃ。
そう思った女の子が、俺以外に一人だけ居たんだ。
その想いは、必ず大ちゃんを救えると思うんだ。
「まーくん、あーそんでっ」
スカートの丈、それどうなの？ってくらい短い子たちがキャピキャピしながら保健室へやってくる。
「んー？遊べないよ、仕事してんだから」
「仕事って、昼休みじゃん！」
「てかまーくんメガネ超似合う！」
「写メらせて！」
「だーめ。ていうかまーくんって呼ぶのやめなさい」
「きゃー！やめなさい、だって！ほんとかっこいい！」
何を言ってもきゃあきゃあ騒ぐ女子高生は、無敵だ。
まったく……
やっとの思いで彼女たちを撒くと、ベッドのカーテンが勢い良く開いた。
「なにか飲み物ちょーだい、ま、あ、く、ん(ハート)」
ニヤニヤと笑いながらおれを見る大ちゃん。
「もーそう呼ぶなって……コーヒーでいい？」
「モテモテじゃん、羨ましいー」
どの口が言ってんだ……
コーヒーを淹れてやると、いい香りに釣られるように大ちゃんがベッドから降りて来た。
「相葉ちゃんって彼女とかいねーの？」
熱々のコーヒーを一生懸命ふうふうしながら大ちゃんが聞いてきた。
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ヤノ(プロフ) - 。さん» ありがとうございます、恐縮です…私には勿体無いコメント…！そう言っていただけただけで、書いた価値がありました(´;ω;`)感謝です。 (2016年7月6日 19時) (
レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - なったんさん» ありがとうございました(´;ω;`)！相葉先生の存在は物語的にも本当に大きかったです…！本当は大好きなのに照れて素直になれない智(-_-)（笑）亀更新にも関わらず、見捨てずに見に来ていただいて本当に感謝です、いつもありがとう！！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 煌さん» 無事に完結できました（涙）そう言ってもらえて本当に本当に励みです…！こちらこそ、見届けてくださって本当にありがとうございました！いつも温かいコメント感謝です(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - きゃんでぃぶるーさん» ありがとうございます…！不器用ながらも何とかくっつけた2人でした（笑）次はどんなの書こうかなーと悩み中です(*'v`*)またぜひ遊びにきてください！コメントありがとうございました(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 麻衣さん» 最後まで見届けてくださってりありがとうございました…！結末を皆様が受け止めてくれるか不安でしたが、すぐに麻衣さんからコメントが届きホッとしました(´;ω;`)またぜひ遊びにきてください！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤノ | 作成日時：2015年9月4日 0時
