◇ 02. ページ2
入学式から何日か経つと、桜は全部散ってしまった。
あの日以来、「色の無い」彼を見ていない。
その代わりちーちゃんが騒いでた「彼」のほうの噂はちょいちょい流れてくる。
「すでに三人から告白を受けたってー」
ちーちゃんの情報の早さにはいつも脱帽する。どこから仕入れてるのよ。
「先輩から二人と、同級生から一人だってさ」
「誰に聞いたのそんなこと……」
「やっぱりすごいんだなー大野くん」
「……大野くんっていうの？」
「そう。大野 智くん」
ふうん。大野くんか。
イケメンに興味ないけど、そこまでモテるひとってちょっと見てみたい。
「バッタリ会わないかなあ」
「なに？Aも狙い始めた？」
「そうじゃないけど、気になるじゃんどんな子か」
「教室まで見に行く？」
「いやそこまでしなくていい」
つまんないなーって、ちーちゃんが頬を膨らませた。
バッタリ会わないかなあ。
って言ったけどさ。
まさか本当に会えるなんて思わなかった。
その日の放課後、ちーちゃんとクラス全員分のノートを提出しに職員室まで足を運んだ。
「数学係って絶対仕事少ないと思って選んだのにね」
「こういう雑用ほんとめんどくさーい」
二人で文句言いながら、職員室のドアを
開けようとした、ら。
「わ」
ガラリと中からドアが開けられた。
「…」
「…」
パチリと目が合った。
あ。この人。
あの人だ。
色の無い、あの人だ。って
わたしだけが気付いたのに。
「ちょ、A！」
「え？」
「この子だよ、大野くん！」
本人目の前にして、恥ずかしげもなくちーちゃんがそう言う。
え？この人が、大野くん？
……うそ。
「…」
私と同じくらいの背丈。男子にしては小さい？
確かに整った容姿。鼻とかすごい綺麗だし。
髪は地毛の色なのか、少し茶色がかってる猫っ毛。
”大野くん“は目をまん丸にして、
なぜか固まったようにわたしのこと見つめてる。
「…」
「……あ、あの…」
幽霊でも見たような彼の目に、どうしていいのか分からなくなる。
「…大野くん？」
そう呼んでみると、彼はハッと息を吐いて「あ」って言った。
「……ごめん…」
「いえ…」
小さく謝ると、彼はふわりとそこを立ち去った。
ってゆーか、ごめん、ってタメ口なのね。同級生と思われた？
「…」
「ちょっとA」
「え？」
「もしかしてさ」
「なに」
「大野くん、Aに一目惚れしたんじゃない？」
心からの「……はあ？」が出た。
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ヤノ(プロフ) - 。さん» ありがとうございます、恐縮です…私には勿体無いコメント…！そう言っていただけただけで、書いた価値がありました(´;ω;`)感謝です。 (2016年7月6日 19時) (
レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - なったんさん» ありがとうございました(´;ω;`)！相葉先生の存在は物語的にも本当に大きかったです…！本当は大好きなのに照れて素直になれない智(-_-)（笑）亀更新にも関わらず、見捨てずに見に来ていただいて本当に感謝です、いつもありがとう！！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 煌さん» 無事に完結できました（涙）そう言ってもらえて本当に本当に励みです…！こちらこそ、見届けてくださって本当にありがとうございました！いつも温かいコメント感謝です(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - きゃんでぃぶるーさん» ありがとうございます…！不器用ながらも何とかくっつけた2人でした（笑）次はどんなの書こうかなーと悩み中です(*'v`*)またぜひ遊びにきてください！コメントありがとうございました(´;ω;`) (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
ヤノ(プロフ) - 麻衣さん» 最後まで見届けてくださってりありがとうございました…！結末を皆様が受け止めてくれるか不安でしたが、すぐに麻衣さんからコメントが届きホッとしました(´;ω;`)またぜひ遊びにきてください！ (2016年7月6日 19時) (レス) id: bcc3fbaed6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤノ | 作成日時：2015年9月4日 0時
