二百七十五話 ページ44
「そ、そんなに悩む程イカれてた、とか…？」
柔「あいや、なんちゅーか不思議な人やったかな…。
実力に関してはほんまに肩書きもあるしで凄かってんけど、ええ意味で素朴で、意外と不器用なところがあって、」
再度遠くを見て懐かしそうに語る柔造さん。時期的には私を両親のところへ預けた後、イルミナティに協力しながら騎士團にいた頃か。どういうわけで特別講師とかやっていたんだろう。やっぱ周りにバレないよう普通を装っていたとかだろうか。
とにかく千鶴母さんが生きてた頃の話なんて、父さん達が言ってたのぐらいしかまともに聞いたことがないからなんだか新鮮だ。
私は「ええ、ほんとですかぁ？」と、千鶴母さんが教壇に立つ姿を想像しようと試みる。だが顔は祓魔師の名簿に載っていた無表情の写真とブタ野郎に見せられた最後の瞬間の映像で見たのみだし、声も分からない。だからか結局あまり上手く想像できなかった。
「……。」
柔「…けどAさんのこと、一番に考えてたんちゃうかな。」
柔造さんを見上げれば、なんだか複雑そうな顔で遠くを見つめていた。穏やかだけどどこか悲しそうというか、そこにどんな感情があり何を思っているかなどは推し量れない。しかしただ私を元気づけようとして言ってるわけでもなさそうだった。あるいは独り言だったのかもしれない。
一体どういう事だろう、聞いていいやつか…？
「…えっと、」
日「コホンッ、待たせてしまって申し訳ない。」
そこへ丁度戻ってきた日下部さん。タイミングいいような悪いような…。
ともかく退院手続きが済んだということでお礼を言い、先に出発する柔造さんを見送ろうと三人で外へ出る。正面玄関前のロータリーに送迎バスが停まっているのが見えた。
柔「日下部隊長、お世話んなりました。」
日「うむ、今回はすまんかったな…。」
柔「そんなもう謝らんでください。俺らは平気ですんで。
Aさんはしっかり怪我治すんやで。」
「…柔造さん、それと出張所の皆さんも、本当に巻き込んでしまってすみませんでした。」
柔「それはもうええって。」
「本当は、あの、、き、綺麗なあのお嫁さんの、ま、蝮さんにも謝らなきゃって…！やっぱな、何事もこ、こここれからでぁああぁぁあ！？」
柔「アホ…！そッ、そんなん気にせんでええんよホンマに！！」
柔造さんは「人の心配より自分の心配せぇ…！」と私の頭をわしゃわしゃ撫でくり回す。ボァァ頭が…！
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まみた(プロフ) - めだまやきさん» めだまやきさん、コメありがとうございます…！(*´∇｀*)「めっちゃ好き」いただけて大変嬉しいです！！頑張ります…！ (2022年4月12日 18時) (
レス) id: fd451d957d (このIDを非表示/違反報告)
めだまやき - この作品めっちゃ好きです！！更新頑張ってください！ (2022年4月12日 14時) (レス) @page33 id: dcde01b025 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まみた | 作成日時：2022年3月9日 1時
