【第２９話】 ページ32
「すまない、A...」
白竜はシュウから離れると、私のところへ歩み寄った
もう恐怖心なんてない
「大丈夫だよ白竜...」
私は白竜を抱き締めた
すると白竜はそっと背中に手を回した
「本当は、俺がこうしてやらなきゃいけないんだが...」
背中に回した手に力を込めたことが分かった
「今は、私が抱き締めてあげる番なんだよ」
白竜は「有難う」と小さく呟いた
いつも体の大きな彼も、今日は一段と小さく感じた
そんな彼をしっかり包み込んだ
その時、シュウと目があった
「...シュウ..」
私は、白竜を抱き締める力を弱め、シュウに近づいた
シュウの体が、更に薄くなり、光りに溢れ始める
「もう、これ以上いられないんだね...」
悲しそうに目を細める彼は、すごく切なかった
「白竜、これからはAを傷つけないようにね」
シュウは白竜の目を見て静かにそう言った
それを聞いた白竜は瞳を潤ませて頷いた
シュウの視線が、私に向いた
「それから...A」
私はシュウに抱き着いた
「シュウ、もういっちゃうの？」
まだ、一緒にいたい
もう少し、彼の体温を感じていたい
【叶わぬ夢】だということを信じたくない
「そんな顔しないで？必ず...また会える日が来るから」
シュウは私の額に自分の額を引っ付けた
冷たい粒が、私の頬を伝った
私のじゃない、シュウのものだった
シュウは平気そうな口振りでも、体や表情は嘘をつかなかった
涙を拭うために私の頬に当てた手は震えていて、目からは涙が伝っていた
「シュウも、悲しいの？」
私はシュウの頬に手を触れた
シュウは私の手に、自分の手を重ねた
「悲しくない、なんて言ったら嘘になっちゃうよ...こんな見っとも無い姿、見られたくなかったのに..」
「そんなことない、人間だもの。泣いちゃうのは仕方ないんだから」
そう言うと、シュウは柔らかく微笑んだ
「有難う...」
一粒涙を流した途端、シュウは薄くなり始めた
「...シュウ！体が消え...」
その時、柔らかい物が、私の額に当たる
私の涙が一気に零れだした
「幸運のおまじないさ。Aに幸運が降り注ぎます様に...てね」
シュウの笑顔は、眩しい
「嫌だよ、私...まだシュウと一緒にいたい！」
そう言うと、シュウは私の口に人差し指を当てた
「言っただろ？また、会える日が来るから、て...」
シュウの口許は緩んだ
「それまで、さようなら..
愛してる」
「シュウ！」
私と白竜の声が重なった
シュウは――
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
Clumsy【夏油傑】 【剣城京介】「くりょの騎士団・・黒にょ騎士団・・・言い難っ!!」『言わなきゃい...
【ガンマ】「我々はプリょ、ぷろとこちゅ・・・チーム名、変えよ？」『スマート!!...もっと見る
「ヤンデレ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ネギまゆ - フレコ交換してもらってもいいですか？4184-1467-2823 (2013年10月26日 0時) (
レス) id: 6ea934caaf (このIDを非表示/違反報告)
arin(プロフ) - 元asukaです 3DS新しくなったので登録 お願いします 1907-9241-1739 「ASUKA」です (2013年10月21日 2時) (レス) id: 0f680b5e0c (このIDを非表示/違反報告)
asuka(プロフ) - 元剣城白竜 磯崎浪川です 完結おめでとう〜♪ 絵上手すぎ！！ 新作頑張ってね♪ 期待してるよ☆ (2013年8月20日 0時) (レス) id: 62ce85ee91 (このIDを非表示/違反報告)
コロネ君(プロフ) - 闇風麗奈さん» そう言って貰えて嬉しいです^^ 頑張ります！！ (2013年6月23日 16時) (レス) id: 4505ea5ed1 (このIDを非表示/違反報告)
闇風麗奈(プロフ) - 続きが楽しみです! 更新頑張って下さい!!!! (2013年6月12日 17時) (レス) id: 5c11207a53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：コロネ君 | 作者ホームページ：http://profile.ameba.jp/desuso-do10/
作成日時：2012年12月10日 21時
