ヤンデレだらけの妖怪ウォッチの世界に運悪くトリップした少女と、その大蛇

引っ掛かったフリ ページ21

〜閻魔宮殿 地下室〜
エ「A。食事持ってきたぞ。」

コトリとテーブルに置かれるのは、美味しそうなオムライス。

食欲がわかない。

エ「………食べないのか？」

A「いらない。」

エ「そうか。置いとくぞ。」

そう言って部屋を出ていった。一応、お腹は空いている。

仕方ない。食べるか…………。
スプーンですくって、食べる。

A「美味しくない………。」
味は美味しいのに、何だか美味しくないのだ。

全部食べると、ベッドに横になった。

A「……………。」
私はぼー………っと、只此処からどうすれば出してもらえるのか。そう、考えていた。数分後、はっと思いついた。

そうだ。引っ掛かったフリ……！つまり、エンマを愛しているフリをすれば……！！

我ながら名案である。

ｺﾝｺﾝ。

エ「Aー入るぞ？」

ｶﾞﾁｬｯ。

今だとばかりに、エンマに抱き付く。

エ「A///！？」

A「エンマ。」

エ「な、何だ？」

A「………好き。愛してる。」
そう耳で囁くと、

エ「…………！！」
とエンマは驚いた。そして満足そうに笑い、扉に手を掛ける。

A「嫌……行かないで……ずっと、側に居たいの。」

エ「なら、一緒に宮殿で暮らすか？」

A「ん………。」

エ「なら、出るか。」
手を繋ぎ、其処から出た。光が眩しく私を照らす。

エ「護衛をぬらりに任せるか。」
護衛は止めて欲しい。脱け出せなくなるから。

A「いらないよ。」

エ「そうか。じゃあ永遠に、俺側に居ろよ？」

A「………うん。」
そう返事した後に、オロチを思いだし、何故かチクリと胸が痛んだのは、何だったのだろうか。

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