変なの。 (ページ4)

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「ん？何も無かったから帰ろうとしてたんじゃないの？」

「そう！そうなんだけど！」

ほんとにいつの間にか、そこにいたんだって。

黒い学ランを着た、男の子が。

「黒い学ラン...？」

「そう！おかしいでしょ！？だって私たちの学校の男子の制服って、」

＿＿＿＿紺のブレザーじゃん。

「別の学校の子が入り込んだとか？近くにある中学校って制服学ランじゃなかったっけ、」

「でも夜中だよ？わざわざ夜中にうちの学校に中学生がいるのおかしくない？」

「それにこの話には続きがあって、」

びっくりした6人組はすぐに逃げ出したんだけど、女の子が1人躓いて足をくじいちゃったんだって。

でも他の子はそれに気付かずにそのまま走ってっちゃって、

取り残された女の子はその男の子に捕まって、そのまま消えちゃったんだって。

「.......なんか、よくある作り話って感じだね。」

「えーなによそれ、」

「いやだって、消えちゃってたら大事になってるはずでしょ？それが全然知られてないってことは、作り話ってことでしょ？」

「もーA冷めてるなー...ま、いいや！そういえばA宿題やってる？」

「見せないからね！絶対7月中に終わらせる！」

「とか言って、どうせまた最後の日に徹夜でやる癖に」

「うるさいな」

他愛も無い話をしている内に、菜月の怪談話は頭の隅に消えていった。