ヤンキー君と天然彼女【名前変換】 (ページ29)

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Story.28 ページ29

#天然彼女

いきなり悠斗君の腕に抱きしめられた私。

振り向こうとすると急に視界が

真っ暗になるし…←

手が退けられ振り向こうとすると

また前に向かされるし…←

・

いったい、この人は何をしたいんだろう…

正直、はっきりしない悠斗君に少し呆れるけど、

・

悠斗「…いいか…一度しか言わないからよく聞けよ。」

・

彼の真剣な言葉と口調に心臓がﾄﾞｸｯとした。

・

悠斗「…とりあえずは、怖い想いをさせてごめん…」

・

彼の言葉が耳元に呟かれ、

ﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝと心臓の音が大きくなる。

・

悠斗「あと、今朝もキツい言い方をしてごめん…」

・

さっきからごめんと謝る彼。

どうして彼が謝るのだろう…

・

今朝のことは私の不注意のせいなのに。

さっきのことだって私がもっと気をつけていれば

彼を巻き込まなくて済んだのに。

・

あ「あの、悠斗君…」

悠斗「俺さ、自分で言うのもアレだけど

口が悪いっていうか…肝心なときはいつも口下手で…」

あ「う、うん…」

・

悠斗「Aと初めて逢った日も

急に泣き出すから泣き止ませようと必死で、

“付き合え”なんて言葉口から出任せだったしさ…」

あ「うん…」

・

悠斗「だけど勉強教えてもらった時とか、

お前と千尋が仲良く登校してた事を知ったとき

もう、嫉妬心でいっぱいになって…」

あ「えっ…」

・

悠斗「さっき助けたときだって、その…

…単なる人助けとかそういうじゃなくて…」

・

だんだんと言葉を濁らせていく悠斗君。

それと比例して、私の心臓はもう彼に

聞こえるんじゃないかってぐらい高鳴ってる。

・

悠斗「だからその…言いたいことは…

最初は何か、成り行きで“付き合え”なんて

言ったけど今は…」

・

彼が後ろで髪の毛をｸｼｬｯとしたのが分かる。

そして一つ、大きな息遣いが耳元に届いて。

・

悠斗「今は泣き虫なAも、

天然なAも…

そして今のAも全部…

全部好き…大好きだから…改めて言うよ。

……俺と付き合って下さい。」

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