ひとつ屋根の下で (ページ4)

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ただただ、お互いを抱きしめる。

私はヒスンを抱きしめている間ずっと背中をトントンした。

ヒスンは私の首元に顔を埋めたり、少し抱きしめる力を強めたりを繰り返した。

５分ほどそうしていた私たち。

口を開いたのはヒスン。

hs「ん、Aありがと」

私よりも十数センチほど高い彼の目線に入るように背伸びをした。

どういたしまして、と言おうとした途端に唇に柔らかいものがあたった。

『…ん…ふ…ひすっ…』

状況を掴むのにとても時間がかかった。

私は今、ヒスンに"キス"されている。

生まれてこの方、恋愛なんてしたことがない私にとってはファーストキス。しかもいきなりの深いキス。

息をすることが出来ない怖さと初めての感覚で生理的な涙が出てくる。

hs「…ん、」

唇を離したヒスンは色っぽい目付きで私を見つめた。

hs「ごめん、Aがかわいかったから」

hs「…もしかして、初めて？」

まだ息を整えている私。

彼は力なく座り、こくりと頷く私を見て嬉しそうな表情をした。

『ひすんの、ばか』

少し涙目の私にごめんって、とカラッと笑う彼を嫌いになることは出来なかった。

hs「じゃあ、また明日」

私の頭に手を乗せもう一度ポンポンしてヒスンは部屋を出ていった。

今までこうやってヒスンはもちろん、他のメンバーともハグはしたことがあるものの、キスはしたことがなかったのでとてもびっくりした。

ヒスンが私にした"キス"の意味。

頭をふるふる振って今日は何も考えないことにした。

まだ混乱する頭でソヌと約束していたことを思い出して、身だしなみと心を整えた。

急がないと。ソヌが待ってる。

急いで部屋を飛び出して、彼の部屋に向かった。

コンコン

ノックをするとは〜い、とくつろいでいた様子の声が聞こえた。

『ソヌ、私だよ』

『遅くなってごめんね』

ガチャリと扉が開かれると今日1番の笑顔のソヌが顔を出した。

sn「もう！ヌナったら〜遅いんだから！」

『ほんとにごめんね〜』

sn「ヌナはかわいいから特別にゆるす！」

「ささ！早く入って！」

さっきとは違うぷんぷんとほっぺをふくらませて怒る姿がとてもかわいい。

たま〜にこの顔が見たくてわざとイタズラしちゃう。

ソヌはかわいいね、なんて褒めるとヌナの方が！とたくさん褒めてくれた。

ヒスンにキスされたとき、ちょっぴり嬉しかったのはここだけの話。