七滴目 ページ8
僕が再び目を覚ますと、先程居たベットと一緒だった
夢じゃ、なかったの？
背中から人の気配がして、人の体温がして暖かくて、何も無い、真っ暗の世界の中、その体温だけがわかった。
「A、起きたん。」
あぁ、また彼の声だ。
でも、本当に助けてくれるの？
また、僕のこと捨てるでしょ？
ゾムは悪くないけど、また僕のこと捨てるんでしょ？
僕は生きてちゃダメなんだ、死ななきゃならないのに。
『ｩ...ゾ...ム』
「もうちょっと寝ててええで。」
「もう泣かんでもええで。」
これからはずっと一緒や、もう1人にさせへん。
一生俺がそばにおる。
そう後ろから声が聞こえる。
彼は後ろから体を密着させてくる。
彼が肌に触る度、傷が痛む。
『ｯ...ｨ...ﾀﾞ...』
「ごめっ、痛いよな、無理に動かしてごめん。」
彼は後ろから手を回してくる。
怖い、何されるか分からない。
そう思うと、昔のトラウマがフラッシュバックとして蘇る。
『ｩ...ｱ...うっ....うぅ....』
生きてちゃいけないのに、死ななきゃなのに、痛い事ばかりさせられて。でもそれが当たり前なんだって言われて、苦しくて、どうしたらいいか分からなくて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛くて
痛かった。
そんな日々。
そんな日々からただ逃げたかった。
そんな日々からただ解放されたかった。
なぜ僕は報われないんだろう。
どうしてこんな目に遭わないといけないんだろう。
そんなことを考えていたら、また意識が遠のいていった。
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作者名：空 | 作成日時：2022年5月1日 23時
