2:僕らヤンデレ芸人やってます。 (ページ4)

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下田がトイレで席を開けている隙にすぐにAちゃんに話しかけた。

粗品「どう？下田と仲良くなれそう？」

『下田さん自体はとても素敵な方なんですけど……下田さんは私のことを良く思ってないかもしれないですね……。』

素敵な方。その響きが脳内に苦味を与えてくる。

下田がAちゃんの魅力に気付いてしまうくらいなら本当に呼ばなければ良かった。

『でも……私の身の回りの人は身長の高い人が多いのでとても親近感が湧いてます。仲良くなれたら嬉しいです！』

そうなんや、と愛想笑いを浮かべた。

胎の中や頭の中ははぐるぐるとしてずっと不快だ。

『粗品さんのおかげでお話の出来る方が増えていってて本当に感謝してます。いつもありがとうございます！！』

そう言って彼女は頭を下げた。

粗品さんのおかげ。ああ、あったかい。
　

　
　

やっぱこの子には俺しかおらんのや。

そうこうしている内に下田が戻って来た。

『あの、下田さん。連絡先交換して貰えませんか…？』

彼女はおずおずと下手に回るように話しかけた。

下田「あぁ……別にええよ。」

下田も満更でも無さそうに携帯を取り出した。

2人はお互いに目が合うとすぐ逸らす、を繰り返していて顔も赤くなっていた。

腹立つ腹立つ。Aちゃんもなんでそんな顔すんねん。

ああ、俺の願いは。

粗品「……俺しか見えんようになればええのに。」