No.43 ページ4
隔離部屋
«がらがらがら»
私が引戸を開けると怯えたように身を縮こまらせた。
少年「ひっ・・・。」
結人「安心するでござるよ、なにもお前を殺し煮て喰おうなどとは考えてないでござる。」
少年「でも、この部屋・・・。」
成る程、血があちこちに飛び散る部屋に怯えていたのか。
結人「この部屋は普段、拷問に使っているのでござる。
しかし拙者は罪もない人間を拷問にかけるなどと言う鬼蓄な趣味は持っていない。」
少年はまだ安心できないのかガタガタ震えている。
結人「はぁ・・・。お主、東京から来たのでござろう。」
そう言うとビクッと体を震わせ此方を見る。
少年「そ、そうです。でもそれは・・・。」
結人「知っている。廃藩置県後の江戸の呼び方だ。」
彼は私がそれも知っていたことに驚く。
結人「お主・・・未来から来た者で間違い無いようだな。拙者も未来から来た者でござる。生年は平成12年。お主が成龍悠貴であるならば拙者と同じ年の生まれの17歳の筈だ。」
そう告げ、マスクを外す。
結人「あの時、あれほどのニュースになりました。私のことは解りますか?
私は佐々木Aです。」
彼は私のニュースを知っていたようだ。目を大きく見開いて言った。
少年「あの悲惨な交通事故の・・・。
これを知っているなら間違いはないですね。
僕はあなたの予想通り成龍悠貴です。」
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作者名:さすらいの作者 | 作成日時:2017年11月22日 15時