闇夜叉物語～幕末編～ (ページ33)

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No.29 ページ33

大将佐々木宮次郎 vs 土方歳三

結人「お主が噂の色男様でござるな?」

土方「山にまでそんな噂が広がってやがんのか｡」

彼は苦々しい表情を浮かべた｡

近藤は天然のアホなのかこんなことを言っていた｡

近藤「なんでトシは嬉しそうにしないのかな?」

おいおい､昨日の態度はどこに消えやがった｡

結人「何はともあれ､これが最後･･･｡
拙者は心残りのないようにゆくが､お主らは全敗｡黒歴史でござるな｡」

土方はギリ･･･と歯を食い縛った｡

近藤「ううんっ､それでは参る｡いざ､尋常に勝負!」

土方「ふっ!」

土方が先に仕掛けてくる｡

結人「はっ」

しかし余裕で避ける｡

暫くその攻防を続けていた｡

人格結人『主様､約束が違うでござる｡』

結人「解っていないな｡」

私は試合をしつつもう一人の結人と話をする｡

人格結人『どういうことでござるか?』

結人「私はお前に彼の剣捌きを覚えて欲しいから敢えてこうしたのだが?」

ハッと息を飲み､言った｡

人格結人『そう言うことでござったか･･･｡もう大丈夫でござる｡』

結人「任せた｡」

私は人格を入れ換える｡

結人「ふふ､漸くこの時が来た･･･｡一瞬で決めてやる!はっ!!」

ばしっ

土方「うﾞっ!!」

宣言通り一瞬で決まった｡

近藤「一本!」

結人「弱い｡」

土方「面目ねぇ､近藤さん｡」

土方は項垂れている｡

近藤「いや､恐らく俺でも勝てねぇ｡皆､よくやった!」