配属�� ページ3
｢いよいよ今日からか…｣
寮の自室で、Aはハンガーに掛けた軍服をベッドに腰かけて眺めていた。
肩章の示す階級は少佐。本来普通に士官学校を卒業しただけであれば大抵准尉ないしは少尉からのスタートとなるものを、Aは士官学校在学中に国家錬金術師の資格を得たこと、飛び級で首席卒業したことで少佐の地位に立つことになった。
｢時間だ｣
そろそろ出ねばならない。青く重い軍服を身につけ、長い赤毛を緩く後ろで結わえる。姿見の前で襟と飾緒を正し、机の上の銀時計をポケットに突っ込み、外套とドキュメントバッグを手に急ぐ先はアメストリス軍部・中央司令部だ。
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大総統府には国家錬金術師資格関連で赴いたことはあるが、中央司令部の中を歩くというのは無かったかもしれない。
Aは紙切れを片手に上司となるマスタング准将の執務室を探していた。
｢軍の中枢だもんな…それにしても広い｣
司令部内をウロウロしていると好奇の目に当てられていることに嫌でも気づき、小さくため息を吐いた。
18で国家錬金術師となり、20という歳で入軍と同時に少佐の地位についた華々しき経歴をもつからというのも確かだが、Aの見事なまでの赤毛はアメストリスでは珍しいもので、多くの者の注目を浴びていた。
よそ見をしていると脇に衝撃が走った。人とぶつかってしまったようだ。
バサバサと散らばる書類の音にはっと顔を上げるとあちゃ〜と洩らし、前髪をガシガシかきあげる小柄な体躯の少年がいた。
｢あっ失礼。前を見ていなかった｣
｢あてて…いや、オレもだよ。｣
散らばった書類は少年の持ち物だろうか、拾い集めるのを手伝っていると、ふと錬成陣が目に入った。この少年も錬金術師なのか。
トントン、と肩を叩かれ視線を書類から上げると金眼と目が合い、その顔がニヘ〜と笑った。
｢なあ、あんた。今日付けでウチに来ることになったシュルマン少佐だろ？｣
｢…そうだが｣
金髪の少年の言葉にAは戸惑った。金髪の少年は赤い外套に大きな旅行カバンを持っている。とても軍人の出で立ちではないように見えたが。
｢オレが案内してやるよ。准将の部屋探してんだろ｣
続く
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めいぶ - ちゅき (2022年7月7日 20時) (
レス) @page3 id: 85a6e0c8dc (このIDを非表示/違反報告)
yamitei810(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます。タグ管理を失念しておりました。ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。 (2020年7月20日 6時) (レス) id: 58346cf848 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やみちゃん | 作成日時：2020年7月20日 2時
