病床に零れゆく蜜 ＜剣城 優一＞

あたしの新たな患者さん。 ページ5

お昼休み。

午前中の仕事を終えて、あたしは、ナースセンターにいた。

冬花:Aちゃん、さっきは御免ね？

冬花があたしに話し掛ける。

A：え？

冬花:太陽くんの事。

A:好いのよ。本当に世話の焼ける子でしょ？謝るのはあたしの方ね。御免。

太陽は何時も冬花に迷惑かけてるし。

本当に手の焼ける子。

冬花:大丈夫よ。

A:仕事増やさ無いでって言ってるのに…。

太陽は毎日、病院抜け出そうとするから…ね？

太陽はサッカーが大好きで、やりたい気持ちはわかるけれど…あの子は…。

婦長:雨宮さん。

冬花と話をしていると、婦長に話し掛けられた。

A:あっ！！はい！！

いきなり話し掛けられたから思わず席を立ってしまった。

婦長:担当の患者さんが退院したばかりだかりだけれど…今日からあなたについて欲しい患者さんがいるの。

そう言うと婦長は其の患者さんの資料をあたしに渡してくれた。

A:剣城 優一…？

名前と入院した経緯などが記された資料に目を通した。

婦長:後で、其の子の病室に行ってくれるかしら？

A:はい。わかりました。

婦長はそう言うと、ナースセンターを後にした。

冬花:頑張って！！Aちゃん。

A:有難う。冬花。

新しい患者さんか…。

頑張らないと…。

美しき患者。→←あたしの弟。

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