集団暴力 ページ22
「…何をどうしたらそんなに泥だらけになるんでやんすか?」
「…スマン…調子乗った。」
帰ってきた二人を見てスカルは馬鹿にするのも忘れ唖然としていた
ルシア達は全身泥まみれ
白い部分が見えないくらいには汚れていた
「アルトがあまりにも私の頭で泥遊びするもんだから仕返しに思い切りかけてやったらいつの間にか調子付いて気付いたら…」
スカルに小屋の裏手にて服ごと洗ってもらっている中消沈しているルシア
アルトはスカルの口から出てくる泡とお湯にはしゃいでいた
一通り洗い終わり、ルシアは息で瞬時に服と体を乾かした
勿論アルトも
「はぁー…ったく初日で既に疲れ果てちまいやしたよ…」
ため息を付きながらどうしてひねる事ができるのかわからない杖の体を柔軟に捻りながらスカルは言った
ゴキゴキとまるで骨が鳴るような音が響く
首の骨は無いのだが
「だな…にしてもスカル、お前出迎えに来た時かなりズタボロだったが何があった?尋常じゃ無いように見えたが…」
ここに戻ってきた時スカルはアルトの体のまま出迎えたのだが、その姿は所々流血し、アザになっていた
ルシアはそれを指摘しているのだ
「あーこれはっすね…」
スカルはぶが悪そうに目を逸らす
「なんだ、正直に言え。」
「…気を悪くすると思いやす。実は…」
スカルが話した事はルシアの眉間のシワを更に深くするものだった
この村、夜になるとアルトが命に関わる状態で無い限り毎晩の様にアルトをボコボコにしているのだそう
女、子供、大人関係なく
酷い仕打ちをアルトに向ける
罵詈雑言は当たり前
ナイフで斬りつけることもあったそうだ
人の不幸は蜜の味のルシアも契約者である以上自分が起こす事以外の災難にはあわせたくないと顔をしかめた
「痛覚がないんで痛くはありゃあせんがね?流石にこれは酷いっすわ。もし今日コイツがあの場にいれば…死んでたかもしれねぇでさぁ。」
「…クソが。」
(これ以上の面倒ごとはゴメンなんだよ…これでまた作戦を更に練り直さねばならないではないか…!…これはこいつの為なんかじゃない…)
ルシアは立ち上がると魔界へのゲートを開けた
「帰るぞ。ついでに良いものをやる。」
「?」
首を傾げるアルトだったが何くわぬ顔でルシアの後を追いかけていった
ーーーーーー
「ひ、ヒェェ…」
「ほーら頑張れ頑張れ!」
「フレー…」
「そう言うくらいなら手伝ってよ!」
またも掃除機の様に食事を食べまくるアルト
そんな彼にミノスはヘトヘトになりながら山のような食事をこしらえていた
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闇鍋ソース(プロフ) - ナイフさん» ありがとうございます!今後も作る機会があれば続きを書きますのでよろしくお願いいたします (2019年8月17日 1時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
ナイフ(プロフ) - シリアスとギャグの使い分けがとても巧で、あっという間に最後まで読んでしまいました。とても面白かったです……。素敵な作品をありがとうございます。 (2019年8月16日 23時) (レス) id: db7c72b981 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - いちごシロップさん» コメントありがとうございます!頑張らせて頂きます! (2019年5月2日 2時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
いちごシロップ - 悪魔と人間が友達になる、って冒頭からほっこりしちゃいました。でもシリアスな場面もあって…。とにかくとても面白いです!これからも頑張ってください! (2019年5月1日 23時) (レス) id: 99dc49cbe7 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - まゆみさん» 人外×人間が大好きなんですよ…! (2019年3月31日 19時) (レス) id: 32007db41f (このIDを非表示/違反報告)
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