蛇竜は番犬に恋をする3

第百三十七魔 ページ49

(清楚……清楚かぁ……)

昼休み
私は清楚とはなんたるかを図書室で読み漁っていた
漫画なり小説なり
とにかく清楚と名の着くものを読み尽くした
ついでにチラリズムについても
絶対領域、うなじ
こう言った所にフェチズムと言うものを感じる者が多いらしい
そう言ったものとは無縁だった私は少し興味深かった

(しかしこれといってしっくりこないというかなんと言うか……こんなの私にできるのか？)

自分に合わないそれらに頭を捻る
だがこれもカルエゴ卿に嫌われないため！
自分にできる魅了から始める事は師団活動にも大いに役立つことだろう

「はぁ……なんだか疲れたな……今日はここまでにしよう……」

本を閉じ、元あった場所に戻して私は図書室を後にする
ここ最近は入間様が生徒会に入った事もありアスモデウスとウァラクとも馴れ合う時間は極端に減ってしまった
……別に寂しいとか思ってはいない
断じてない
ともかく私は今ある課題を克服せねば
その時だった

「む？お前は……」

「あ、アメリ会長！」

アメリ会長と偶然鉢合わせた
確か先程放送で呼ばれていたな
考えていて周りをよく見ていなかったが私はその扉の前にいた

「お疲れ様です。」

「いや、生徒会長として当然の事だ。それにしてもハドラ、お前とこんな処で鉢合わせるとは。実力は聞いているぞ。一年の身でありながら見事だ。称賛する。」

「ありがたきお言葉感謝致します。」

文句一つ言わず凛々しく強かな佇まいは私と似ている様で違う
流石魔関署警備局局長の娘
オーラが違う

「さて、この部屋だったな。失礼する……」

会長はフッと仕事の顔に戻ると扉に手をかけた
部屋は真っ暗で薬品の臭いが漂っている
やけに甘いな
私も興味本意で後に続いた

「誰か……」

と、そんな中部屋から呻き声が聞こえた
どうやら生徒が倒れているようだった

「う"ぅっ……」

「どうした！？何かあったのか！？」

すかさず会長が駆け寄り倒れている生徒の身を起こした
が、次の瞬間
そいつは会長に何かを吹き掛け、会長は気絶してしまった

「貴様……！アメリ会長に何をした！」

私は退路を塞ぐとそいつに詰め寄った
会長と同じく何かを吹き掛けようとしたが口許を袖で覆い吸わないようにした

「観念しろ！」

がっとそいつの服を掴み持ち上げる
暗がりで顔はよく見えなかったが男のようだった

「貴様には然るべき処遇を与えねば……とにかく職員室へ……」

が、運が悪かった
暗がりの中では視界が鮮明で無いため、私は書類で足を滑らせてしまった
咄嗟の事に手を離してしまい、私は机に頭を打った

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