蛇竜は番犬に恋をする3

第百四魔（アスモデウス＆夢主side） ページ13

本日の分の花火の準備をしている最中ずっとハドラの事が気がかりだった
ウァラクも入間様も少し暗い面持ちだった
あの叫び声や様子を見たウァラクは特に
だからこそハドラから電話がかかってきて私は心底安心していた
声色もよくなり、二人も元気を取り戻していた
だが

『あぁ。カルエゴ卿と共に。昨日夜遅くまで看病してくれていたらしくて……』

「は？」

自分でも驚く程ドスの効いた声がでた
カルエゴ卿とずっと？
医務室で？
またドス黒い感情が湧き出てくる

『あ、アスモデウス？』

心配そうなハドラの声が聞こえる
私は間髪入れずにいい放った

「き、貴様！カルエゴ卿と二人きり！？まさか二人で何か事に及んだんじゃないだろうな！？」

『はっ、はぁ！？』

ハドラがすっとんきょうな声をだした
が、私は止まらない

「学校でありながらあんなことやこんなことを……！」

『まっ、落ち着けアスモデウス！何もない！カルエゴ卿はただ看病してくれていただけで……！』

「じゃあとくに疚しい事は無いんだな！？」

『なっ……』

ないと言い切って欲しかった
しかしハドラは黙りこんでぶが悪そうに唸った
そうなってしまえば頭に血が上る

「したのか！？一体何をされた！」

『ま、待て違う！お前が思っているような事はしていない！』

「じゃあ正直に言えるだろう！まさか二人でベッドで……」

『っ……！あっ、アスモデウスのエ ッチ！』

ハドラにキレられた
ついでに電話もきれた

「あ、アズ君……？」

「アズアズしつこいよ！しつこい男は嫌われるって授業で習ったよ！」

「……ウグフッ！」

「あっアズ君ー！？」

吐血した
心配する入間様を背に私はその場で崩れ落ちた
あー……
幼少の頃より性に近しい生活をしていた事が裏目にでた……
ハドラやカルエゴ卿が学校でそんなふしだらな真似をするとは思えん
そう、冷静に考えれば
それなのに私は激情と嫉妬にかられとんでもないことを……！
しかし後悔とは裏腹にハドラの声な頭に残る

＜っ……！あっ、アスモデウスのエ ッチ！＞

エコーで頭の中に何度も流れる
可愛かった
滅茶苦茶に可愛かった
それと同時にやや嫌われたが聞けてよかったと思う自分がいるのが恥ずかしい
その後、私は消沈の中母に見つかり何とか入間様から離した

……次、ハドラになんといって会えばよいのだ

とんでもない問題だけが無情にも残された

ーーーーーー

(あっ、アスモデウスの奴！あんな事聞いてきてどういうつもりだ！カルエゴ卿の前で怒鳴ってしまったではないか！次あったら絶対捻ってやる！)

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