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第九十二魔(キリヲside) ページ50

彼女は優秀やった
何をさせても一流で教師達も彼女を誉め、誇った
そんな彼女だったからこそ教師達は落ちこぼれの僕に任しても問題あらへんと思ったんやろな
四年の時、僕は一年のメイちゃんの世話を任された
悪童の園のシステムで上級生が下級生を卒業するまで園内での面倒見るというもの

「よろしゅうなメイちゃん。」

「はっ。宜しくお願い致します。」

彼女はとても礼儀正しかった
位階が査定されていなくても僕の実力なんて目に見えとるのに彼女は僕を尊敬してくれた
魔具を作っていればひょっこり現れてジーっとその様子を見ていたり、ご飯を食べている時僕は一人だったんにメイちゃんは一緒に食べますと言って向かい側でいつも食べていた
不思議な子やなと思う反面、鉄仮面の彼女の顔はとても綺麗で、それと同時に絶望させたくて仕方なかった
でも完全無欠の彼女はそんな表情見せてくれるわけもなくいつも同じだった
そう、思っていた
変化は唐突だった
ある時から靴を履いていないときが多くなった
服が汚れていることが多くなった
体に痣が出来ている事が多くなった
理由を聞いても別に何でもありませんとしか返ってこなかった
でも確かに彼女は傷ついていた
唇を噛んでムスッとする彼女に僕はゾクゾクした
もう一息
もう一息で望んだ彼女の姿が見れる!
そう思ったら興奮してすぐ行動に移した
放課後、僕は彼女のあとをつけていった
そこで見たのだ
彼女がいたぶられているのを
罵声を浴びせられ
暴力を奮われ
あられもない姿の彼女がそこにはいた
彼女の実力ならば反撃もできよう
でも悪童の園には元より暴力禁止の掟があった
それを平気で破っているのは未来のことなんて考えてないアホと隠し通せる社交性に優れた奴だけ
メイちゃんは力があるだけに孤立していた
友達と呼べるものもなく、でも実力は一流
周りが嫉妬しないわけがない
真面目な彼女はプライドの為か、掟を破らぬためか、必死に暴力に耐えていた
そして奴等が飽きてその場に一人取り残された彼女は……

大声で泣いていた
滝のように涙を流して
悔しそうに
辛そうに
苦しそうに
その姿はもう言葉に表せられへん程に興奮した!
もっとみたい
でも僕にそんな力はない
ならばと僕は彼女に何も言わずに歩み寄った
彼女は驚いていたけど何を勘違いしたのか僕の手を掴んでまた泣いていた
ああ、泣き声が綺麗や
僕の心に潤いを与えてくれる
その後、いじめはエスカレートし、それでも彼女は園をやめなかった
僕が園を卒業する時には満面の笑みで送り出してくれた
そこで僕は決めたんや
いつか彼女をものにしてやるってな

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闇鍋ソース(プロフ) - 乾 巽さん» ほんまや(°▽°) (2019年12月15日 20時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 九十一が抜けとるよ! (2019年12月15日 20時) (レス) id: a83f0b56fb (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - ミミさん» あれなんすよ、怠け者・セッx中毒・金遣い荒いの三拍子なんすわ (2019年12月13日 22時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 召集3日後はエグいてぇwww (2019年12月13日 22時) (レス) id: 1c2f6eb773 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - 神田・スカーレットさん» キング・オブ・ドクズ!最低最悪糞兄貴ハドラ・メフィストをよろしくね! (2019年12月13日 22時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:闇鍋ソース | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mesemoaLOVE/  
作成日時:2019年11月21日 16時

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