蛇竜は番犬に恋をする2 (ページ29)

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第七十二魔ページ29

「状況を考えろこのアホども！」

カルエゴ卿の怒号がとぶ
二人は反省した面持ちでしゅんとしている
次にカルエゴ卿はロビン先生を睨んだ

「おいっ新任！何故使い魔には信頼が重要か答えろ！」

「だっ、だって使い魔は相棒(パートナー)で……」

「違う。喰い殺されん為だ。」

「でも主人に刃向かえば処罰(しつけ)が……」

「誰が主人の話をした。私が言っているのは周りの話だ。使い魔はペットでも相棒でもない。主人が調教を怠れば脅威となる魔獣だ。使い魔を恐れろガキども。それが真の信頼だ。この中でその基礎の心構えがあったのは……二人だけだったようだが……」

カルエゴ卿はため息をつきながらこちらを見た
それはつまり、その二人の中に私がいると言うことだ
嗚呼何と言うことだろう……喜びのあまり涙が溢れる
勿論直ぐに火炎(ラファイア)で蒸発させたが

「分かったら……さっさと使い魔を労れ！今すぐ！」

こうしてカルエゴ卿のご指導の下、使い魔授業は再開された
私は待たせているライラプスの下へ駆け寄った

「待たせたなライラプス。いい子だ。」

そう言って撫でてやる
……そう言えばアスモデウスは大丈夫だろうか
私はライラプスを連れてアスモデウス達の下へ向かった
近くにはカルエゴ卿もいらっしゃった
まず私はカルエゴ卿に声をかけた

「カルエゴ卿、使い魔になられても変わらぬ指導に感服致しました。」

「そ、そうか……」

「あとアスモデウス、大丈夫か？先程吐血していたようだが……」

「ハドラ……！あー……そのだな……」

「ハドラ、非常に言いにくいんだが……」

「？」

先程から二人とも何故かしどろもどろしている
何かおかしい所があるだろうか……？
その時だ

「おいハドラ！先程から気になっていたのだが、乳がみだらに垂れているぞ！サラシを巻き直したらどうだ？」

「……ハッ？」

「「サブノックゥゥゥ！」」

二人の悲鳴がハモった
いや、それ以上に私は現状に先程以上に顔が熱くなった
そうだった……
カルエゴ卿を受け止めたあと決闘を止めに行きそのまま……
胸を直すのをすっかり忘れていた！
わ、私はさっきからずっとこの状態で……！

「貴様！デリカシーというものを知らんのか！？」

「ヌ……！？」

「ただでさえ周りに人がいるというのに貴様ぁ……！」

「す、スマン……ハドラ……？」

「あっ……あぁ……」

ギャースギャースと授業終了の叫び声が響く

「あぁぁぁぁぁ！」

「は、ハドラァ！？」

私は恥ずかしさのあまりその場から逃げ出してしまった
恥ずかしい……
恥ずかし過ぎて死ぬ……！