ヤミキ ( 緑 ) (ページ7)

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第7話ページ7

それから数ヶ月。あれから
大倉さんのオトモダチとしての
関係は続いていた。

健全ではないけど。
でもそればっかりなワケでもない。
普通に話すだけの日もソレの日と平等にある。

でも果たしてこのままでいいのか。
あたしももう三十路までの距離は遠くはない。
そろそろちゃんとした恋人を見つけて、結婚して
家庭を築きたい。

そう思っていた時に、頭に浮かんだ
" あの人 "

「裕貴くん、何してるのかな。」

裕貴
あたしの幼馴染で、同級生。

もう、結婚でもしてるのかな？
子供もいたりするのかな？
なんの仕事をしてるんだろう。

裕貴くんのFacebookを知ってる友人が、
裕貴くんはいま東京に居るって言ってたっけ。

大学一年の時に告白して以来、会ってないし
連絡も取ってない。

『あの時…。もっと素直になれていたら。』

後悔と、幸せだった記憶しかないあの人との思い出。

今会えたら、どうなんだろう。
そう思いながら、いつも通りの仕事の帰り道。

" 引き寄せの法則 "っていうのかな。

裕貴『あれ、？…A？』

裕貴くんを見かけて、気づけば走り寄っていて、
でもあたしから声はかけられなくて。
帰ろうとした時に、裕貴くんがあたしに気付いて声をかけてきた。

『久しぶり。』

変わってない…。その笑顔も。
いつも、" 久しぶり。" そう言ってくれるのは、
貴方からで。

腐りきったのかと思っていたあたしの胸は
勢いよく長い長い鎖から解き放たれて、
ドキドキと動き出した。

大好きだった。ほんとにずっと大好きだった。

「久しぶり…！」

鞄の中でなり続ける
大倉さんからの着信のバイブに気付くことは無く
ただ、裕貴くんを見ていた。

※引き寄せの法則※
脳に『願望』や『なりたい自分』を見せてあげ(波動を合わせ)、潜在意識でそのゴールまで連れていってもらうこと。