ヤミキ ( 緑 ) (ページ17)

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第17話ページ17

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無性にお金を使いたくなって、
PLAZAの財布を買った。

なんかわかんないけど
とりあえず高そうなお寿司屋さんに入って。

『…そこ、俺の席なんやけど。』

そう後ろから聞こえて振り向くと

「なんでここに。」

大倉さんがいた。

『退いて。』

「嫌ですよなんで退かなきゃいけないの」

『…はぁ。』

大きなため息の後に、『ここきたらいつもそこ座ってるんですー』って唇を尖らせた。

「アハハっ…」

子供みたい。…って、どっちがだよ。
あたしが1番ずっと子供じゃんか。ずっとバカじゃん。

『ちょ…っ』

「もうやだああ～…っ」

ブランド物の袋を全部床に落として足をじたばたさせながら高級な寿司屋で大泣きするオンナなんて、きっといない。

『何があったん…』

低いけど優しいその声でそんな心配しないで。

「あたしはバカでず…っ」

『今更？』

その後、お酒も飲んでないのに大倉さんにさっき見たことや、今までの恋愛話を話してしまった。

『ふぅーん。』

大倉さんはお寿司とビールをチビチビと嗜みながら聞いていて。

「大倉さん、
今日はなんか食べるのも飲むのも遅いですね」

『はあ？』

『話聞いてんねんから、普通やろ』

ふふん。ってちょっとバカにしたように笑いながらビールを喉に通す。

『彼氏には確認したん？浮気かどうか。』

「いや、してないです」

『誤解やったらどうするん？』

「………」

『答えへんってことは、確認せんでええんや。
…面白いな(笑)』

「それはっ」

『彼氏と別れて俺にしたら？』

大倉さんはあたししか見てなくて
あたしも、大倉さんしか見れていなかった。