ヤミキ ( 緑 ) (ページ12)

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第12話ページ12

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後日、大倉さんから連絡がきた。

‟18日どう？”

あたしもその日がちょうど休みだったので、その日でお願いしますと送り返した。

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大『なんか久しぶりやんな、Aちゃんと会うの～』

大倉さんの階に向かうエレベーターの中、
ヘラ～って笑ってる大倉さんのその感じは
妙に癒される。

「そうですねー」

『相変わらず、そっけな。笑』

大倉さんだって相変わらず、
何考えてるかわからないですよ。

『で、話って何？』

「エレベーターの中で話すようなことじゃないです」

少し黙った後、

『じゃあ、俺と関係切りたい。
…とかってゆう話や？』

と、感情の見えない微笑みを向けた。

その笑顔に怖さを感じることは何度かあったけど、こんなにも感じたのは初めてだ。

『付き合いたい男でもできた？』

「大倉さんに関係ないでしょ」

自分の声が震えてる。けれど
それを今の大倉さんに
気づかれるわけにはいかなくて
できるだけ、冷たく言い放った。

『しょーもな。』

「は？・・・・！？」

―ドンッ！

鈍い音と共に壁に押し付けられて
背中と頭に少し痛みを感じる。

「なにすっ」

無理やり押し付けられた唇に、
いやだと意思表示をしても
大倉さんが解放してくれる気配は無く。

「やめっ・・・」

エレベーターの中には、
必死にもがくあたしの吐息交じりの声と

キスに夢中になっている大倉さんの甘い吐息。

噛み付くようなキスにクラクラしてくる。

嫌だと心が言っているのに
大倉さんを突き放せないのは、

体が彼を覚えてしまったから。

ヘタ…と腰が抜けたようにエレベーターの床に座り込むあたしを見下して

『関係やめる？』

大倉さんはそう言う。

そう。その話をしに来た。来たはず。
…なのに。

不敵に笑う彼を見上げるのが精一杯で。

『無理やろ？』