茶処 ページ20
私達はカフェに足を踏み入れた。
モダンで洒落た内装のカフェは思わず写真を撮りたくなるほどであった。
樋口さん……こういうお店知ってるんだ……。
店内に釘付けになっているとふと声をかけられて。
「どうぞ、(人1)さん」
さっと椅子を引く樋口さん。
えっ！？
「え、いやえっと…そんな、」
「座って下さい(人1)さん」
「っ…、」
思わず驚いたがここで時間を取らせる訳にもいかず、私はありがとうございますと素直に腰を下ろした。
「ふふ、いえいえ」
女性に椅子を引かせるなど初めての経験で私は申し訳ない気持ちになった。
樋口さんはこの間お礼がしたいと言っていたけどなにもこんな事までしなくてもいいんだけどなぁ。
「(人1)さんはなにを注文しますか？」
「え、あっ、じゃあこのイチゴパフェを」
ぼんやりと考え事をしていたらふいに話しかけられそう返せば、くすりと上品に樋口さんが笑みを零した。
なにか変な事言った？
「(人1)さんは甘いものが好きなのですね、意外でした」
そう言ってより一層可愛らしい笑みを浮かべてみせた彼女に思わず見とれてしまう。
けど刹那気を取り戻して、そうかな、と返した。
「なんか、(人1)さんってブラックコーヒーとか飲んでそうなイメージだったので」
なんだか子供っぽく思われたのかと恥ずかしくなり、少しやけになってしまう。
「一応飲めなくはないですけど甘い物は別というか、その、なんといいますか……」
言葉を言葉で補おうと必死になっていると樋口さんがまたふふっと笑われ、なんだか歯がゆい気持ちになった。
その後樋口さんが店員さんに注文してくれ、暫くして注文したものが運ばれてきた。
私は目の前にこと、と置かれた「いただきます」と手を合わせてからイチゴパフェをぱくりと頬張った。
「……！」
口に入れた途端苺の酸味とクリームの程よい甘さが絡み合い口の中で蕩けていく。
ん、至福……。
またひとくち、ぱくりと口に運んだと同時に向かい側でパンケーキを食べていた樋口さんにまた笑われてしまった。
「なんですか？」
「すみません、幸せそうな顔で食べるものだからつい」
「！！」
私もしかして顔に出てた？ ……は、恥ずかしい。
羞恥心で私は顔を大袈裟に逸らした。
恥ずかしさで私は急ぎめにパフェを頬張る。
……やっぱり美味しいや。
美味しいパフェに顔を綻ばせていると、すっと私の口元へふいに手が伸びてきた。
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ナナ(プロフ) - めっちゃ好き続き楽しみにしてます (2023年1月20日 18時) (
レス) @page31 id: cfbc850098 (このIDを非表示/違反報告)
んーゆ - 更新…まじで頑張ってください…この作品めっちゃ好き… (2022年3月19日 23時) (レス) @page31 id: 08da5454b1 (このIDを非表示/違反報告)
♪美桜♪ - 話の内容がすごくおもしろいです！これからもゆっくりでいいので、更新頑張ってください！ (2018年9月17日 14時) (レス) id: 951996096a (このIDを非表示/違反報告)
叶葉和音(プロフ) - 納豆さん» ご指摘ありがとうございます。今夜には訂正させて更新させて頂きます。宜しく御願い致します。 (2018年8月1日 0時) (レス) id: ebadb5acac (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - 頭領ではなく首領ですよ (2018年7月31日 12時) (レス) id: 427a625ea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：叶葉和音 | 作成日時：2018年5月17日 23時
