護衛 ページ17
「煩い男は女にモテないよ」
「なっなんなんだいきなりお前ッ…!」
「私の仕事はお前の様な男からこの子を守るのが私の仕事なのでね」
姉さんの体が素早く動く。次の瞬間には男は地に伏していた。
背負い投げをされ、体を打った男はすぐには動けずいたが、今のを状況を見ていた店の中の客らが騒ぎ始めた。
「ちっ、めんどうな事になった、ずらかるよ!」
「え、あっはい!(面倒事にしたのは姉さんでは…)」
姉さんに腕を引かれ私達は店を後にした。
店を出た私達は路地裏を抜けネオン街を歩いていた。
「姉さん、助けてくれてありがとうございました!」
「礼なんていらないよ。仕事だし」
「また仕事って……」
私と姉さんは“ペア”だ。
ハニトラ要員というのは単独行動が主なのだが、私はまだホテルに誘い込んで、という事は頭領には禁止されていて、今日みたいに話を聞き出し聞けるだけ聞けたら立ち去るようにと言われているのだが、そう簡単に目標から逃げられない時もある。そういう時のために『姉さん』がいるのだ。
姉さんは頭領直属の遊撃隊・黒蜥蜴の構成員。
私が仕事の時私を護るよう頭領に命令されたようで、こうして私に付いてくれるのである。
けれども私もそれなりに体術使えるのに、どうしてわざわざ頭領自ら護衛を手配したのか……。私にはよく分からなかったが、何度も姉さんも行動を共にしてく内にそういう事はあまり考えなくなった。
「姉さんはやっぱり強いですね」
「そんな事は無いよ、上には上がいる」
「けど強いじゃないですか! さっき男を背負投げしましたし」
「それくらいできなきゃマフィアでやっていけないだろう」
姉さんは、ふっと不敵に笑った。
「それより……この間は悪かったね、護衛に付けなくて」
「いえいえ! 姉さんも忙しいんですし……私こそ申し訳ないです、すみません」
申し訳なさげに目を伏せる姉さんに私はそう返した。
すると少し困ったように「そんなことないから謝るな」と笑った。
____姉さんはとても綺麗な人だ。
絹のような黒髪は濡れたように艶やかで、髪が揺れる時にちらりと時おり姿を見せるピアスがやけに色っぽい。切れ長の瞳は目標に対しては鋭く射抜くが親しい相手には優しくて、つんと高い鼻は無駄がない。薄い唇はほのかに桜色で美しさの中に可愛さも残して。
そしてすらりとした体躯はまさに“女”という感じで。
私とは大違いだ。
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ナナ(プロフ) - めっちゃ好き続き楽しみにしてます (2023年1月20日 18時) (レス) @page31 id: cfbc850098 (このIDを非表示/違反報告)
んーゆ - 更新…まじで頑張ってください…この作品めっちゃ好き… (2022年3月19日 23時) (レス) @page31 id: 08da5454b1 (このIDを非表示/違反報告)
♪美桜♪ - 話の内容がすごくおもしろいです!これからもゆっくりでいいので、更新頑張ってください! (2018年9月17日 14時) (レス) id: 951996096a (このIDを非表示/違反報告)
叶葉和音(プロフ) - 納豆さん» ご指摘ありがとうございます。今夜には訂正させて更新させて頂きます。宜しく御願い致します。 (2018年8月1日 0時) (レス) id: ebadb5acac (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - 頭領ではなく首領ですよ (2018年7月31日 12時) (レス) id: 427a625ea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:叶葉和音 | 作成日時:2018年5月17日 23時