遭遇 ページ14
「あッ！ 樋口さんからメール来てたんだ気づかなかった〜…」
首にタオル1枚掛けただけのすっぽんぽんのまま、ふと無造作に携帯端末を見て吃驚した。
私は昨日シャワーを浴びてなかったことに気づきアジトの簡易シャワー室を拝借していたのだ。
今は全裸だが、カーテンはしっかり閉めてるし悠々自適個室空間なのでなんともなかった。
頭をタオルでがしがし乾かしながらメールを開く。
そこには待ち合わせ場所が記されていた。
「待ち合わせは〇〇公園の噴水前ね、『分かりました』で、送信っと」
送信完了となると私は端末を閉じてシャワー室の個室に設けられてる小さな棚に置いた。
卸したての下着を身につけ替えのカッターシャツに腕を通しスカートを履くとシャワー室を後にした。
「ふぅ〜、さっぱりした」
シャワーを浴びるだけでも随分と違う。
頭は生乾きだけど書類片付けないとだし、時間もないのでこのままタオルドライで済ましてしまおう。
るんるんとした気分で廊下を闊歩していると。
「あ、芥川ッ！？」
そう。芥川が前から歩いてきたのだ。
さっきおじさんと芥川の話とか色々していたのもあって、思わず大声を上げてしまった。
靴底の擦れる音を廊下に響かせながら歩く芥川との距離は徐々に狭まっていき、あからさまに驚く私に芥川は訝しげな表情をする。
「なんだ……僕を見て驚くなど。……それよりなんだその頭は」
「え？ …あぁ、これね。昨日お風呂は入れなかったからさっきシャワー室借りたんだ〜おかげでさっぱり！」
あはは〜なんてへらへら笑うと彼は少しだけ黙ってなにかぼそりと呟いた気がした。
「え？ なに、ごめん聞こえなかった」
「……何でもない、気にするな」
「？ そっか」
「そういえば貴様、熱は大丈夫なのか？」
なんか話題無理やり変えられた感があったが、ここで変にしつこく聞いても駄目だろうと思い問いただすのはやめた。そこまで気にもならなかったし。
「あ〜熱？ 寝たら良くなったみたいでさ！ 本当に昨日はごめんね迷惑かけて！」
笑って誤魔化す。
「そうか。ならいいのだが」
芥川があまり深追いしないタイプで良かった……。
「じゃあ僕は任務がある故……」
「芥川先輩！ 待って下さいッ！」
彼の後ろの方からそんな女性の声が聞こえた。
……あれ、この声、どこかで聞いたことある気が……。
芥川の方へ顔を向ければ彼はうざったそうに顔を顰め言う。
「樋口……毎度言うが貴様が遅いから悪いのだ」
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ナナ(プロフ) - めっちゃ好き続き楽しみにしてます (2023年1月20日 18時) (
レス) @page31 id: cfbc850098 (このIDを非表示/違反報告)
んーゆ - 更新…まじで頑張ってください…この作品めっちゃ好き… (2022年3月19日 23時) (レス) @page31 id: 08da5454b1 (このIDを非表示/違反報告)
♪美桜♪ - 話の内容がすごくおもしろいです！これからもゆっくりでいいので、更新頑張ってください！ (2018年9月17日 14時) (レス) id: 951996096a (このIDを非表示/違反報告)
叶葉和音(プロフ) - 納豆さん» ご指摘ありがとうございます。今夜には訂正させて更新させて頂きます。宜しく御願い致します。 (2018年8月1日 0時) (レス) id: ebadb5acac (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - 頭領ではなく首領ですよ (2018年7月31日 12時) (レス) id: 427a625ea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：叶葉和音 | 作成日時：2018年5月17日 23時
