序章 ページ1
____泣き声が聞こえた。
嗚咽を吐きぼろぼろと大粒の涙を零す。
………………それは私だった。
「✕✕はもうこの世にはいないのですよ」
その人の言葉が頭を何度もループして。
絶望の淵へ真っ逆さまに落ちていくような感覚に襲 われる。
貴方は、あんなに健気で、優しくて、純粋だったじゃない。
それなのにどうしてなの。
真っ黒な、まるで光の差していない彼女の目がうっとりと細められる。
「ねぇ……これでもう、邪魔者はいなくなりましたよ」
こんなにも恐ろしいと、怖いと感じたことは今まであっただろうか。
心が恐怖に囚われて、身動きができない。そんな私の頬に優しく指を滑らせる彼女。
こんなにも翳った目をしているのに、私に触れる手は壊れ物に触れるかのように優しくて。
「Aさん……愛しています」
嗚呼、彼女がこうなってしまったのが、私のせいならば。
私はいつ、なにを間違えてしまったのだろう。
彼女の腕の中に閉じ込められ乍ら、私はそっと目を瞑った。
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ナナ(プロフ) - めっちゃ好き続き楽しみにしてます (2023年1月20日 18時) (レス) @page31 id: cfbc850098 (このIDを非表示/違反報告)
んーゆ - 更新…まじで頑張ってください…この作品めっちゃ好き… (2022年3月19日 23時) (レス) @page31 id: 08da5454b1 (このIDを非表示/違反報告)
♪美桜♪ - 話の内容がすごくおもしろいです!これからもゆっくりでいいので、更新頑張ってください! (2018年9月17日 14時) (レス) id: 951996096a (このIDを非表示/違反報告)
叶葉和音(プロフ) - 納豆さん» ご指摘ありがとうございます。今夜には訂正させて更新させて頂きます。宜しく御願い致します。 (2018年8月1日 0時) (レス) id: ebadb5acac (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - 頭領ではなく首領ですよ (2018年7月31日 12時) (レス) id: 427a625ea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:叶葉和音 | 作成日時:2018年5月17日 23時