星空の下で【爆豪勝己】 (ページ40)

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『爆豪入るよー』

返事も聞かずに勝手に入る。
爆豪が呼び出したんだ、文句なんて受け付けない

爆豪はベッドに寝そべっていた。

え、おまえが呼んだんだよね？
わたしが突撃訪問したわけじゃないよね？

なんで寝そべってんの？

まぁ別になんでもいいけどさ。

寝そべってる爆豪に烏龍茶を渡す。
一応招かれてますからね、手土産的な？
って言っても自販機で買ったやつだけど

わたしはベッドを背もたれにして座り、
水をひと口飲む

そして爆豪が口を開くのを待った

「お前だろ。昨日オールマイト寄こしたの」

『うんそうだよ。よくわかったね』

「デクはわかってねェかもだが俺は違ェ。

昨日担任と話してたのも俺たちのことだろ」

…ほんと察しがいいなぁ爆豪は。

「オールマイトが来たときはただ止めに来ただけかと思ったが
担任の部屋行っててめェがいたときに
お前がオールマイトに言ったんじゃないかって思った。

なぁ…なんでオールマイトだったんだ」

『言ったじゃん。爆豪のせいじゃないよって』

爆豪が静かに起き上がったのがわかった

わたしは立ち上がって爆豪と向かい合うように
ベッドの上に座る

爆豪は静かにわたしを見ていてお互いの視線がぶつかる。
それはわたしの言葉の続きを待っているようだった

『わたしはさ、神野であったこともそれまでのことも
なんにも関わったことないただのモブだから

当事者に行かせようと思って。

わたし保護されたって言ったでしょ？

けっこう特殊なとこにいたからさ、
仲良くなる人なんていなかったんだ。

あ、上辺の人ならたくさんいたよ？
けど素で仲良くなる人なんていなかった

だからさ、はじめてだったの。
素で誰かと仲良くなりたいって思ったのはさ。

仲良くなったのも初めてだったんだ。

だからちょっとでもその悩みを減らすお手伝いが
できたらなって。お節介だったらごめん』

爆豪は何も話さない。

…やっぱりあれはお節介だっただろうか

自分が良かれと思ってやったことだけど
相手が嫌だと思ったならそれはごめんなさいとしか言いようがない。

けど初めて直感で仲良くなれると思った人だから
何かしたいと思っちゃったんだ。

「いや…あそこでオールマイト以外に来られても
正直困っただけだった。

だから…あんがとよ」

目を逸らしながら言った爆豪は
普段の悪人面なんてなくてただのイケメンだった

『……うん！！』

初めて心の底から嬉しいと思った