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伊野尾side
「伊野尾せーんせっ!」
授業終わり、教卓で授業の後片付けをしていたら、女子たちがいつものように俺の周りを囲いだした。
「おー、どうしたのぉ?」
女子高生っていいなぁ、ピチピチしてる。
「伊野尾せんせって彼女いないのー?」
集まってる女子たちの中でも1番化粧の濃いような女子がそう聞いてきた。
「んー、いないかなぁ」
曖昧な返事をすると、え〜ほんと〜??なんて期待混じりの声を次々にあげる。
みんな声高ぇな…耳がキーンってするわ。
その後も、5分ぐらい恋愛トークを女子達としてたら、ある女子生徒がキラッキラの目で廊下を指さしていた。
「高木せんせいだ!!」
その子の声で、注目は一気に高木に集まる。
うお、すげぇ。
廊下で、これまた隣のクラスの女子達に囲まれている高木。
相変わらずモテるな……。
知らずのうちに、ズキンッと痛む心は知らんぷり。
「高木せんせいってカッコイイよねー!ね、伊野尾せんせもそう思うでしょ!?」
俺に同意を求めてどうするんだ。
心の中で毒吐くけど、その気持ちの隣で、女子達に激しく同意してる自分もいる。
ホント、我ながらややこしい。
___________
「俺さ、高木のこと、取られたくない」
保険室。
ほうほう、と頷いてる大ちゃん。
「なんでまたそんな急に?」
「あの面食いの女子生徒たちは、案外本気で高木を狙ってるらしい。」
あの時の女子達との恋愛トークの時、また化粧濃い系女子が、急に声のボリュームを下げて、真剣な顔になる。
『隣のクラスの及川ちゃんって子、この前高木せんせいに告白したらしいよ!』
こしょこしょっと、そして、さらっと伝えられたその内容は、俺にしてみれば結構、相当重要なことで、まさかこんなに女子たちが本気だとは思ってもみなかった。
「伊野ちゃん、今更気付いたの?」
呑気に言う大ちゃんは、このことを前から知っていた模様。
「早く言えよ、おれ、出遅れた……」
肩を落とす俺。
あー俺、本気でアイツのこと好きなのかなぁ。
そろそろホントの気持ちへの知らんぷりも潮時だ。
「はぁ……伊野ちゃん、出遅れたなら、それを全部取り戻せばいい。伝え遅れた分、伝えまくればいい!!」
俺の右肩に手を置いて、ニカッとハニカミ、グーポーズ。
うん、さすが大ちゃんキマってる。
そうとなれば、、
おっしゃ、今から行ってくる!!!
____たかきー!!好きだぁー!
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泣かせて見せよう - 早く続きみたいです!けとちねもっとみたいです! (2018年12月1日 23時) (レス) id: fe12f049fc (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け - 続き早く読みたいです! (2017年5月1日 17時) (レス) id: d6828c72d6 (このIDを非表示/違反報告)
りょうぱち(プロフ) - やぶひかLoveさん» コメントありがとうございます♪他のペアもどんどん書いていきます!! (2016年12月24日 0時) (レス) id: 06fe3de9b1 (このIDを非表示/違反報告)
やぶひかLove - ゆとやまの出会い!…素敵ですね。あぁ、素敵ですね。笑 他のカップルの過去も知りたいです!続きが気になります! (2016年11月26日 8時) (レス) id: c5bd122c69 (このIDを非表示/違反報告)
りょうぱち(プロフ) - やぶひかLoveさん» ありがとうございます!!!やぶひか大好きです、はい!(笑)続き頑張ります♪ (2016年11月5日 22時) (レス) id: c2f6555a36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りょうぱち | 作成日時:2016年10月18日 19時