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伊野尾side


「何なんだよ、あいつ」

「でもよかったじゃん、白衣褒められて」

「嬉しくねぇし!」


その日の放課後。
大ちゃんが入れてくれたコーヒーを片手に保健室のソファに座って、ぶーぶー文句垂れてる俺。


あーもう、
気になる。気になる。
気になって仕方ない。


何なんだ本当に。


あれから、俺の頭の中にはアイツがいて。
ずーっと居座って、どこにも行ってくんない。


「なに、なにが不満なのさ」

「別にっ、不満とかじゃない」


いや、不満だ。

いつもだったらこういうときは、俺が振り回す方なのに、なんで俺が振り回されてるんだよ。


「伊野ちゃんにとっては、未知なのね」

「未知だよ未知。未知すぎだ。」


あぁ〜〜っと、大ちゃんの胸に倒れ込んで、項垂れる。


どうしてこうも、いつもみたいに強気にいけないのだ。


よしよし、と大ちゃんに頭を撫でられた。
そういや、アイツ、普通に女子の頭撫でてたなぁ。


「俺も撫でられてぇ」


って俺、変態かよ。


「大丈夫?伊野ちゃん」


心配してる大ちゃんをよそに、俺はアイツのことを考える。






「失礼しまーす。おーい、大ちゃんいるー?」

え、、


待てよ待て、この声って、



「おう、高木〜!どした?」

急いで大ちゃんの胸から離れて、白衣の皺を伸ばす。


「あれ、伊野尾先生もいらっしゃったんですか」


なんだか敬語が嫌で、



「ちっす、」


ってなんだよ。
馬鹿か俺は。チャラ男かよ。


「あははっ、ちっすって何伊野ちゃん〜!」

うるせぇ有岡、黙っとけ。


精一杯の眼力で大ちゃんを睨むけど、ん?って首傾げられて、鈍感かよおまえ。



「伊野ちゃんって呼ばれてるんすか?」


ぽすんっとナチュラルに俺の隣に座ったと思ったら、うわちょー間近。


「え、あ、まぁ、大ちゃんとか、生徒とかには」

「へぇ〜」


うんうんと、頷いて、なにをそんなに納得してるんだろうか。



「高木も伊野ちゃんって呼べばー?」


大ちゃんの提案。
おまえ、ふざけるなっ。

とてつもない、眼力で睨んでおく。


「そうだなぁ、、伊野ちゃん の前に、俺は
伊野尾くん って呼ぼうかな」


無意識にビクンって肩が上がって、高木先生を見ると何故かドヤ顔で。


なんでドヤ顔なんだよ。






「いいよ、俺はじゃあ、 たかぎ って呼ぶわ」





いや、俺 たかき だから!



精一杯のイジリ。




___俺がおまえに毎日愛を伝えるようになるまで、あと少し

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泣かせて見せよう - 早く続きみたいです!けとちねもっとみたいです! (2018年12月1日 23時) (レス) id: fe12f049fc (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け - 続き早く読みたいです! (2017年5月1日 17時) (レス) id: d6828c72d6 (このIDを非表示/違反報告)
りょうぱち(プロフ) - やぶひかLoveさん» コメントありがとうございます♪他のペアもどんどん書いていきます!! (2016年12月24日 0時) (レス) id: 06fe3de9b1 (このIDを非表示/違反報告)
やぶひかLove - ゆとやまの出会い!…素敵ですね。あぁ、素敵ですね。笑 他のカップルの過去も知りたいです!続きが気になります! (2016年11月26日 8時) (レス) id: c5bd122c69 (このIDを非表示/違反報告)
りょうぱち(プロフ) - やぶひかLoveさん» ありがとうございます!!!やぶひか大好きです、はい!(笑)続き頑張ります♪ (2016年11月5日 22時) (レス) id: c2f6555a36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りょうぱち | 作成日時:2016年10月18日 19時

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