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知念side
今日は久々に圭人とのお家デート。
僕のベッドで、無防備な顔して寝てる圭人のほっぺをちょんちょんっとつついてみた。
んー、起きる気配無し。
この寝顔とか、優しい所とか、中学の時から全く変わってないなぁ。
圭人の寝顔を眺めながら、圭人への恋心に気づいたのは、いつだったかなぁと思い出す。
______________
まだ僕らが中学生の頃。
「一緒に帰らない?」
放課後、涼介を連れ去って何処かへ消えてしまった裕翔を見送って、帰りの支度を始めてた僕。
ふいに肩をとんとんされて、振り向いたら圭人がいた。
「うん。いいけど…部活は?」
「今日はお休み!」
ニコッと微笑まれて、ちょっと前から圭人のその笑顔に弱いなぁと薄々感じていた。
「ちぃちゃんは、好きな人とかいないの?」
帰り道。
案外人見知りの僕は、コミュニケーションも苦手であって、まだそれなりに距離のあった僕らは、話が途切れてしまうことが多かった。
裕翔とか、涼介がいれば普通なのに。
圭人とふたりきりはどうも苦手だ。
「い、いないよそんな人」
「ふーん、そっか……」
もっと会話を続けたいのに、どうしてつまらない返事しかできないんだよ。
自分自身に腹が立って、ちょっとムシャクシャ。
「どんな人がタイプ??」
「僕に尽くしてくれる人」
「あはは(笑)そっかそっか、ちぃちゃんらしいね」
嘘はつけないし、こういうのは正直であった方がいいでしょ?
でもこれを裕翔に言ったら、「人を何だと思ってるんだ!」って怒られた。
あとついでに「山ちゃんのタイプはね……」なんて涼介トークがはじまって、僕が聞きたいのは涼介のタイプより圭人のタイプの人。
それに、涼介のタイプなんかとっくに知ってるし。何年一緒にいると思ってるんだよばかやろう。
「け、圭人は??」
「んー俺??そうだなぁ……」
少し沈黙。
聞いちゃまずかった感じ??
なかなか話し出さない圭人の顔を覗き込む。
そしたら、
「ちぃちゃんみたいに可愛くて、正直で、真っ直ぐで、ちっちゃくて、守って上げたくなる子……かな。」
ぎゅんっっっ
僕が圭人への恋心に気づいたのは確かこの時___。
胸が苦しくって、心臓を抉られる感じがした。
当時の僕には、これが圭人からの遠回しの告白だなんて気付かなくて。
きっとこの時が、圭人からの告白をスルーした、記念すべき1回目。
______出会えてよかった…
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泣かせて見せよう - 早く続きみたいです!けとちねもっとみたいです! (2018年12月1日 23時) (レス) id: fe12f049fc (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け - 続き早く読みたいです! (2017年5月1日 17時) (レス) id: d6828c72d6 (このIDを非表示/違反報告)
りょうぱち(プロフ) - やぶひかLoveさん» コメントありがとうございます♪他のペアもどんどん書いていきます!! (2016年12月24日 0時) (レス) id: 06fe3de9b1 (このIDを非表示/違反報告)
やぶひかLove - ゆとやまの出会い!…素敵ですね。あぁ、素敵ですね。笑 他のカップルの過去も知りたいです!続きが気になります! (2016年11月26日 8時) (レス) id: c5bd122c69 (このIDを非表示/違反報告)
りょうぱち(プロフ) - やぶひかLoveさん» ありがとうございます!!!やぶひか大好きです、はい!(笑)続き頑張ります♪ (2016年11月5日 22時) (レス) id: c2f6555a36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りょうぱち | 作成日時:2016年10月18日 19時