ビタースイート ページ27
*
「おれ、先生のこと好きだよ」
桜が散る、卒業式の前日。
俺よりも遥かに小さな彼は、俺を見上げてそんなことを言う。
何が起こっているのか分からなかった。
「おれと付き合って」
目の前の彼は、小学生。6年2組の中島裕翔くん。
この学校は夢であった小学校教師として俺が初めて赴任した場所である。今年で2年目だ。
裕翔くんとは彼が5年生のときに出会った。
彼のクラスの副担任となったのだ。
目がキラキラしていていつも楽しそうに友達と笑って。でもすごく真面目で、ズルが嫌い。
声変わりの途中なのか、ハスキーな声が特徴的。
ルックスは抜群で女子は裕翔くんを見てキャーキャー言ってたりするのを何度か見たことがあるなぁ。
ほら、ジャニーズとかに入ってそうな、そんな感じ。
とか呑気に考えていると、裕翔くんは「涼ちゃん？」と俺の顔を覗き込んでくる。
何も言わない俺に、不安になったのだろう。
いや…でも、何を、言えばいい…？
「涼ちゃん、おれ、本気だよ」
裕翔くんは、俺のこと『涼ちゃん』って呼ぶ。
そう呼ぶのは彼しかいない。
「涼ちゃんって呼んでるの、俺だけだから、特別みたいで嬉しい！！」確かそう言われたことがあった。あぁ…もしかしたら、この頃から裕翔くんは俺の事が好きだったのかなぁ。
「りょう…ちゃん？」
っ、やばい。さすがに何か言わなきゃ…！
俺は裕翔くんの本気(？)の一世一代の告白に対して今のところ何も返せてあげてない！
「ゆ、裕翔くん、あの…気持ちは、嬉しい…な、」
「ほんと！涼ちゃん嬉しい？じゃあ、おれと付き合おう！」
裕翔くんの言っていることは支離滅裂で、俺は展開についていけないよ…！？
「あのね、…でも、さすがに付き合え…ないかな、あはは、」
「なんで？先生と生徒だから？でももうおれ、明日で卒業だよ！」
「う、うん…それもあるんだけどね？先生と裕翔くんじゃ、歳が離れすぎてるかな…って」
相手はまだ小学生。
言葉を選んでいかないと、泣かせてしまうかもしれない。卒業式前日にして大問題を起こしてしまうかもしれない…！最近の親は怖いから…。
「お母さんが、好きになるのに歳は関係ないのよって言ってたよ」
「ぐっ…！」
ご、ごもっともです…お母様…。
ぐうの音も出ないとはこのことだ。
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もも(プロフ) - もう何度読んだかわかんないくらい読みましたけど、アタシも噂のふたりを観察したいし会話を盗み聞きしたい〜！！！どのゆとやまちゃんも最高に可愛かったです (2019年12月12日 10時) (
レス) id: 1da0e85042 (このIDを非表示/違反報告)
りょうぱち(プロフ) - あいさん» ありがとうございます〜！陽キャな2人を書けて良かったです！ (2019年9月29日 22時) (レス) id: 73438a5746 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 陽キャゆとやま最高です！！りょうぱちさんのゆとやま大好きです！ (2019年9月29日 12時) (レス) id: e3aa8eb60d (このIDを非表示/違反報告)
りょうぱち(プロフ) - 山受け信者さん» こちらこそ、リクエストありがとうございます！ (2019年2月16日 17時) (レス) id: 73438a5746 (このIDを非表示/違反報告)
りょうぱち(プロフ) - 山受け信者さん» コメントありがとうございます^^*リクエストなさってくれるなら是非とも書かせていただきます！ちょうど次のお話何にしようか悩んでいたところなので…！笑 いつもありがとうございます^^* (2019年1月19日 23時) (レス) id: 9cecffa59a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りょうぱち | 作成日時：2018年12月21日 19時
