(48)発端 ページ7
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ヨコハマの路地裏に立つ男女が2人。
その足元には数人の屍が転がっていた。
しかし、路地裏には血痕も血溜まりも無い。
「相変わらず悪趣味な殺人法だね」
『何とでも言え。てかそれよりも…』
『……コレを説明しろ』
冒頭文を撤回しよう。
ヨコハマの路地裏に男性と"少女"がいた。
「何が……A、その姿は何の冗談だい?」
『冗談じゃない!』
少女の方を振り返った男、太宰治は驚きに目を見開いた。
其処に居た少女が、"嘗ての"AAだったからである。
「良からぬものを打たれたとは思ったけれど、まさかこんなベタなものだなんて…」
『五月蝿い黙れ』
外見7、8歳のAが太宰を睨み上げた。
抑々何故この様な状況になったのか。
その原因は遡ること数十分前_______
探偵社を訪問するのが嫌なAは街の喫茶店に電話で太宰を呼び出した。
Aが思っていた通り要望は当然の如く断られた。
そして諦めて喫茶店を出た時、事件は起こった。
『…痛っ!?』
細い針がAの足に刺さったのだ。
それは明らかに何者かによって"打たれた"ものだった。
Aは近くの路地裏に人の気配を感じて入ると案の定、犯人グループが居た。狙った理由は怨恨。
5、6人の武装した男達だったが、喫茶店からAを追いかけてきた太宰の助けも有り返り討ちが成功した。
そう思った矢先の出来事が之である。
『とりあえず首領に……っ?!』
「…A?如何したンだい?」
突然両の目を抑えて俯いたAの顔を太宰が覗き込んだ。
『っ駄目、見ないで』
「A?」
『駄目…私は悪魔だから、目を合わせちゃ駄目…こんな所に居たら、駄目…』
「………」
何かを悟った太宰はそれ以上云わせんとばかりに幼いAの手を引き探偵社へ向かった。
探偵社へ着くまでの間、Aは引かれた手と反対側の手で自分の目を塞ぎ続け、離そうとしなかった。
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ヤマダノオロチ(プロフ) - Yuukiさん» ありがとうございます!やっと構想がまとまってきました。これからもよろしくお願い致します! (2017年2月18日 23時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
Yuuki(プロフ) - とても面白かったです!スランプで大変だと思いますが、これからも頑張ってください!応援してます!! (2017年2月18日 23時) (レス) id: 3720d37733 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 天さんさん» コメントありがとうございます!上から目線だなんてそんな事無いですよ!?お褒めに預かり光栄です(>_<)最近はラブソングばっか聴いてて、主と中也くっつけたい〜とか考えてます(笑)これからも頑張ります! (2017年2月14日 20時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
天さん - う、上から目線で失礼しましたぁああッ!! (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - スランプ大変ですよね…文章とか読みやすくて好きです!頑張ってください(*´ω`*)ちなみに、私はスランプの時は曲を聞いてます。曲聞いてるとネタがポンポン出てきますので…!これからも応援してます(´˘`*) (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダノオロチ | 作成日時:2016年9月4日 20時