肩寄縁側-ｶﾀﾖｾﾉｴﾝｶﾞﾜ-︰志葉丈瑠 ページ9
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志葉家の縁側には暖かな午後の日差しが降り注いでいた。そこに腰掛ける袴姿がひとつ。
それに気づいたAは後ろからゆっくりと忍び寄った。
どうせ途中で気配を読まれて失敗に終わる、と思ったのだが、何と彼が振り返る前にその背に辿り着けてしまったではないか。
逆に驚かされたAは忍び足のまま横に周り、そっと顔を覗き込む。すると双眸は閉じられており、長い睫毛が下を向いていて。その綺麗な顔に思わず息を呑んだ。
Aの呼吸音が止んだ空間で、彼のゆったりした規則正しい息遣いが聴こえる。
滅多にない無防備な姿。珍しいものを見れた嬉しさと、どうしたらいいかわからない困惑が交差した。
眠りが深くなってきたのか、カクンと前のめりになった丈瑠はその衝撃で目を覚ます。
ハッとして隣のAを見ると、少し恥ずかしそうに目線をそらした。
「お前、いつから居たんだ……」
「割と数分前くらい？」
「そうか」
誤魔化すように目を擦る丈瑠にAは何だかいじらしさを感じてしまう。
「たまにはお昼寝もいいんじゃない？」
「いや、そもそも鍛錬の小休止に座っていただけだ」
そう言って竹刀を持ち直そうとする丈瑠の手が掴まれる。次こそ驚かされた彼が見たのは、今までにないくらい真っ赤になったAの顔だった。
何か言おうと口を震えさせているが、中々言葉にできない彼女をじっと待つ。
「あ……ほら、こんな
「…………そうだな」
丈瑠は自分の腕を掴む手をやんわりと外し、傍らに竹刀を置いた。
外した手を今度は自ら握って引き寄せる。
Aはその力に逆らうことなく、彼の肩に体重を預けた。彼もまたそれに続けてAの方へ重心を傾ける。
心臓がバクバク鳴って止まない彼女の手を握ったまま、ぽかぽかとした太陽のぬくもりに再び目を瞑った。
瞑ったあとで、自分のとった行動の大胆さに気づき顔が熱くなったが、それも午後の日差しのせいにした。
(昼寝から覚めたら、ちゃんと言おう)
そんな気持ちを抱えて、寄り添う2人は微睡みへ落ちていった。
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ゆのみ(プロフ) - 蒼空さん» 遅くなってすみませんでした！そう言っていただけて安心しました……(泣) (2021年2月25日 23時) (
レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - リクエスト答えていただきありがとうございました！いやもう最高です……！表現がおしゃれだし神がかってて本当にキュンキュンします…。 (2021年2月25日 22時) (レス) id: 9ca5b9580d (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - しゃんはいさん» こちらこそありがとうございました！そんな褒め方されたら泣きます(T_T)これからもよろしくお願いします！ (2021年1月12日 15時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
しゃんはい(プロフ) - リクエストに答えてくださってありがとうございました！ゆのみさんのお話はリアルさの中にあるきゅんという感じですごく大好きです！！ (2021年1月12日 8時) (レス) id: 4db072daa3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - さくらさん» 初めまして。少しお待たせしてしまうかもしれませんが、ぜひ書かせていただきます！ありがとうございます！ (2021年1月9日 23時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆのみ | 作成日時：2019年12月29日 0時
