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「…………別に？」
意地を張るのはもはや性分なのだろうか。
彼がビビりなことはとっくにAにバレているというのに。
予想通りの反応を面白く思ったAは、更に煽った。
「じゃあ怖い話でもする？ただ歩くのもつまんないじゃん」
「はあ？こんな寒い中怪談を話す奴があるか」
「別に寒くても怪談は話すし」
「もっと他に話すことがあるだろう」
「え〜〜？」
ニヤニヤするAに苛つきを覚えたゲイツは、空いてる手でその頬をムニッと抓った。
「いい加減にしろ」
「痛い痛い痛い。ごめん、ゴメンナサイ」
素直な謝罪に免じて手を離すと、Aも空いている方の手で抓られた頬をさすった。
Aはまたお仕置きをくらうのも嫌なので、今日の友人との晩餐やなんでもないいつもの会話をして、クジゴジ堂への道を歩いていく。
思えばこんな風に2人で歩いたことなど、デート以外になかったかもしれない。Aは何だか学生に戻った気分になった。
彼と放課後こうやって歩いて帰る日々をほんのり考えて、実現することはできないその妄想を心の中でちょっぴり睨んでみたり。
「てか、どうしてゲイツお迎え来てくれたの？ソウゴから何か聞いた？」
「出かけることは聞いた」
「ということは……？」
「迎えは俺の判断だ……わざわざ言わせるな……」
意地っ張りかと思えば不意に素直になるのだから、この男は狡い。しかも素直になるその姿はかなり可愛い。ちなみにビビってる時も可愛い。
言うと高確率でろくな目に合わないから絶対言わないけど。
その代わりに、「お迎えありがとう」と感謝の言葉を口にした。
「嗚呼。次からは連絡しろ。いつでも迎えに行ってやる」
「やだカッコイイんだけど。でもホントのところ、神社とお墓は怖いでしょ？」
動揺しながら怒る姿を期待したAは悪戯っ子のような笑顔で彼の顔を覗き込んだ。
しかし、ゲイツは真っ直ぐ彼女を見つめ返して反撃する。
「そんなもの平気だ。お前が危険な目に合うより怖いものはない」
してやられたA。その肩へ悔しそうにグリグリと押し付けられる頭を横目に、してやったゲイツは細く笑った。
そんなこんなで我が家へ到着。
Aにはこの後、過保護な兄からの説教が待っているのだが、それを2人はまだ知らない。
＊＊＊＊＊
いつもオチに使ってごめんね
肩寄縁側-ｶﾀﾖｾﾉｴﾝｶﾞﾜ-︰志葉丈瑠→←ビビビのお迎え夜行︰明光院ゲイツ
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ゆのみ(プロフ) - 蒼空さん» 遅くなってすみませんでした！そう言っていただけて安心しました……(泣) (2021年2月25日 23時) (
レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - リクエスト答えていただきありがとうございました！いやもう最高です……！表現がおしゃれだし神がかってて本当にキュンキュンします…。 (2021年2月25日 22時) (レス) id: 9ca5b9580d (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - しゃんはいさん» こちらこそありがとうございました！そんな褒め方されたら泣きます(T_T)これからもよろしくお願いします！ (2021年1月12日 15時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
しゃんはい(プロフ) - リクエストに答えてくださってありがとうございました！ゆのみさんのお話はリアルさの中にあるきゅんという感じですごく大好きです！！ (2021年1月12日 8時) (レス) id: 4db072daa3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - さくらさん» 初めまして。少しお待たせしてしまうかもしれませんが、ぜひ書かせていただきます！ありがとうございます！ (2021年1月9日 23時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆのみ | 作成日時：2019年12月29日 0時
