ビビビのお迎え夜行︰明光院ゲイツ ページ7
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ほう、と吐いた息が街灯の下で白くけむった。こんな寒い思いをするくらいなら大人しくバスを待てばよかったと今更後悔しても遅い。
友人と駅の近くにあるレストランで食事をしたあと。バス代も浮くし膨れた腹にも幾らか効くかと徒歩で帰宅することを選んだのだが、その代償を全く考えていなかった。
暗いし
反射的な寂しさに襲われ、俯きがちに足を進める。まるで曲がり角が近づくタイミングを見計らったかのように差し掛かるサビフレーズを小さく口ずさんだ。
「会いたいんだ今すぐその角かーら、飛び出してきてくーれないかっ…………なんてね」
「呼んだか？」
「え？………！！？！！？」
「やっぱ人間、本気で驚くと声が出なくなるんだな」
そう意地悪く笑ったのは、いつも仏頂面で知られる彼＿＿＿＿明光院ゲイツだった。
まさか曲がり角から本当に人が飛び出してくるなんて＿＿ましてやそれが彼だなんて思ってもいなかったAは、壮大に度肝を抜かれた。
曲は続いてるはずだが、もう自分の心拍しか聞こえない。
出かけることは順一郎おじさんやソウゴから伝わっていても可笑しくないが、『今から帰る』もしくは『今帰り途中』だといった連絡は誰にもしていなかった。
故に、ゲイツがここにいることは不思議でたまらない。
Aがぐるぐる考えている間に、彼はその手をとってさっさと歩き出した。
寒空に晒された互いの手に大した温度差はなかったが、先程より幾分も温かかった。
「歩いて帰るなら連絡くらいしろ。こんな暗い中で、何かあったらどうする」
優しさの篭った説教に、Aは小さく「ごめん」とつぶやく。それから繋がれた手を握り返した。
ふたりは寄り添うように、夜の閑静な住宅街を進んでいく。
途中、神社や墓地を通り過ぎるとき、ゲイツが絶対そちらを見ないようにしていることにAは気づいた。
そしていつもの調子で揶揄うように問いかけてみる。
「ゲイツ。神社とかお墓とかの横、独りで通るのは怖かったんじゃない？」
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ゆのみ(プロフ) - 蒼空さん» 遅くなってすみませんでした！そう言っていただけて安心しました……(泣) (2021年2月25日 23時) (
レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - リクエスト答えていただきありがとうございました！いやもう最高です……！表現がおしゃれだし神がかってて本当にキュンキュンします…。 (2021年2月25日 22時) (レス) id: 9ca5b9580d (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - しゃんはいさん» こちらこそありがとうございました！そんな褒め方されたら泣きます(T_T)これからもよろしくお願いします！ (2021年1月12日 15時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
しゃんはい(プロフ) - リクエストに答えてくださってありがとうございました！ゆのみさんのお話はリアルさの中にあるきゅんという感じですごく大好きです！！ (2021年1月12日 8時) (レス) id: 4db072daa3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - さくらさん» 初めまして。少しお待たせしてしまうかもしれませんが、ぜひ書かせていただきます！ありがとうございます！ (2021年1月9日 23時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆのみ | 作成日時：2019年12月29日 0時
