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＊滅＊
デイブレイクタウンの放つ異様で独特な雰囲気は、夜になると一層深まる。時刻は現在深夜1時。
"普通の"人々は眠っていることが多い時間帯だ。
しかし、ここは"普通"から隔離された街。
1体のヒューマギアは未だディスプレイの光を浴びていた。そしてこの街で唯一の人間も。
「……寝ないのか」
「滅がまだ起きてるから」
「お前はこの先一切睡眠をとらないということか」
「さっきの言い方だと、そういうことになっちゃうね」
椅子に腰掛ける彼の足元に胡座をかいて座っているAは小さく笑った。刹那、くぁっと欠伸をしたのを滅も見逃さない。
ため息を吐いた彼は、回転式の椅子をAの方へ向けた。
「眠いなら素直に寝ろ」
だが、彼女もなかなか頑固な娘である。
「眠く、ない……」
「説得力の欠片もないな」
眠くないと言いつつ欠伸を噛み殺すAに滅も呆れを隠さない。彼は二度目のため息の後、ディスプレイの電源を落とした。
「お前は人間だ。疲労も溜まるし、免疫機能が働かなければ体調も崩す。だから寝ろ」
まるで娘に説教をする父親のように言った彼を見て、Aは嬉しそうに笑う。
「心配してくれてんの？」
＿＿調子に乗るな。
いつものように冷たい声音でそう返されると思った。それが彼女の知っている滅というヒューマギアだったから。
ヒューマギア、まして彼のような個体が時間帯の雰囲気などに影響されたりなど勿論しないだろうし……などという予想は見事に裏切られた。
「好きな女のことを心配するのは当然なんだろう」
あまりにもナチュラルに言われ、彼の言った"好きな女"が自分のことだと理解するのに少し時間がかかった。そもそも、彼に誰かを"好き"という感情があるのかすら疑問だ。
そんな思案顔でフリーズしたAの手を引いて立ち上がらせた滅は、彼女をそのまま抱き上げる。
「丁度、添い寝がどういうものか興味を持ち始めた頃だ。付き合え」
「え？……え？！」
あれよあれよという間に滅と添い寝することになってしまったA。最初はゴニョゴニョ何か言っていたが、いざ横になり彼に包まれるとあっという間に眠りについてしまう。
だから、彼女はまだ知ることができなかった。
「A。お前は……この世界の何より愛おしい」
彼の柔らかな表情とその言葉は、また誰にも知られることのないまま夜の闇へ吸い込まれていった。
＊＊＊
(令和2年12月現在、見返したらすごい解釈違いで吐きそうです←)
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ゆのみ(プロフ) - 蒼空さん» 遅くなってすみませんでした！そう言っていただけて安心しました……(泣) (2021年2月25日 23時) (
レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - リクエスト答えていただきありがとうございました！いやもう最高です……！表現がおしゃれだし神がかってて本当にキュンキュンします…。 (2021年2月25日 22時) (レス) id: 9ca5b9580d (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - しゃんはいさん» こちらこそありがとうございました！そんな褒め方されたら泣きます(T_T)これからもよろしくお願いします！ (2021年1月12日 15時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
しゃんはい(プロフ) - リクエストに答えてくださってありがとうございました！ゆのみさんのお話はリアルさの中にあるきゅんという感じですごく大好きです！！ (2021年1月12日 8時) (レス) id: 4db072daa3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - さくらさん» 初めまして。少しお待たせしてしまうかもしれませんが、ぜひ書かせていただきます！ありがとうございます！ (2021年1月9日 23時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆのみ | 作成日時：2019年12月29日 0時
