＊雨降りフレッシャー︰戦兎&万丈 ページ12
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「はぁぁ……無理。もう無理。初日だけど無理」
入ってきて早々カウンターに突っ伏したAが半泣きで言った。
突然のことに驚き顔を見合わせる戦兎と万丈だったが、ふと今日から4月が始まったことを思い出す。
Aの髪や上着が濡れているのに気づき、窓の外へ目をやると、しとしとと雨が降っているのが見えた。
「とりあえず髪拭きな。風邪ひくよ」
戦兎が適当なバスタオルを持ってきてAへ掛ける。
「……大丈夫か？」
しかし突っ伏したまま一向に動かないA。
色々と心配になってきた2人がじわじわ距離を詰めると、数秒後、聞こえてきたのは微かに鼻を啜る音。
＿＿＿＿＿＿＿＿コイツ、もしかして……
＿＿＿＿＿＿＿＿…………泣いてる……？！
再び顔を見合わせた2人は慌ててAに駆け寄った。
「ほ、ほらっ、髪拭いてやるから！あーあと上着も脱げ！戦兎、干しといてくれ！」
「ああ、わかった。A、何か飲む？甘いのがいっか！」
わしゃわしゃと＿＿どこか慣れた手つきで＿＿Aの髪を拭き上げた万丈がそのままバスタオルを片付けに行くと、今度はカップを持った戦兎がやって来た。
まだ突っ伏したままのAを見て小さく息を吐いて、その隣にそっと腰掛ける。
「はい、ココア入れてきたよ」
「…………ありがとう」
少し間をあけてやっと顔を上げたAが小さく礼を言い、カップを受け取った。一口飲むと、ココアの甘さとその温かさが沁みる。
「どうだ、少し落ち着いたか」
戻ってきた万丈が戦兎との間にAを挟むようにして座った。
「うん……2人ともありがとう」
「そんなに大変だったの？今日初出勤でしょ？」
「社会の厳しさは想像以上だった……」
消沈して言うAを見て「ははっ」と軽く笑った万丈が、その背中を叩く。
「っ
かなりの強さで。
「まだまだこれからだろ。お前なら絶対大丈夫だ。な？戦兎」
「うん、俺もそう思う。もし何かあっても俺たちがついてるしね」
「やーばい、また泣きそう」
いつの間にか、窓の外には綺麗な夕焼けが広がっていた。
＊＊＊
新社会人になる皆様へ細やかなエールです。
全員がベストマッチな仕事に出会えているわけではないと思います。この先たくさんの困難があることでしょう。私も新社会人なのでまだまだ不安だらけです(笑)
でも、筋肉バカの力を借りてどんな壁もぶち破ってやるくらいの勢いで一緒に頑張っていきましょう！！
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▼告白→←Our SOUL will never vanish.
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ゆのみ(プロフ) - 蒼空さん» 遅くなってすみませんでした！そう言っていただけて安心しました……(泣) (2021年2月25日 23時) (
レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - リクエスト答えていただきありがとうございました！いやもう最高です……！表現がおしゃれだし神がかってて本当にキュンキュンします…。 (2021年2月25日 22時) (レス) id: 9ca5b9580d (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - しゃんはいさん» こちらこそありがとうございました！そんな褒め方されたら泣きます(T_T)これからもよろしくお願いします！ (2021年1月12日 15時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
しゃんはい(プロフ) - リクエストに答えてくださってありがとうございました！ゆのみさんのお話はリアルさの中にあるきゅんという感じですごく大好きです！！ (2021年1月12日 8時) (レス) id: 4db072daa3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - さくらさん» 初めまして。少しお待たせしてしまうかもしれませんが、ぜひ書かせていただきます！ありがとうございます！ (2021年1月9日 23時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆのみ | 作成日時：2019年12月29日 0時
